【肉は洗わない十食中毒菌をまき散らす恐れ】

食のおしゃべり

コロナ禍で、手洗いの機会がめっきり増えました。一 方、食中毒予防のため生肉は洗わない方が良いことはあま り知られていません。

生肉の表面にはカンピロバクターや腸管出血性大腸菌な ど、食中毒を起こす細菌が付いている可能性があります。 厚生労働省によると、市販の鶏肉を調べた複数の調査結果 では、カンピロバクターが20~100%という高い割合で 見つかりました。

肉を洗うと肉に付く食中毒菌が水しぶきと共に飛び散り 周囲の調理器具や食品に付く恐れがあります。細菌をばら まいてしまうと食中毒を引き起こすリスクも高まります。

肉の表面に水分や血が浮いていたり、ドリップが出てい たりして気になることもあります。「そんな時はキッチン ペーパーでふき取り、ペーパーはすぐにゴミ箱へ捨ててく ださい《と食品安全委員会の香西みどり委員は話します。

「肉に付いた食中毒菌は十分に加熱すれば殺菌できます。 洗う時にこすると肉の表面が傷つき水溶性成分の流出もあ るでしょうし、肉が水っぽくなり、食味にも影響します《

一匹丸ごとの魚や殼付きの貝は、調理前に流水でしっか り洗ってください。魚介類に付く代表的な食中毒菌は、腸 炎ビブリオ。この細菌は海水に生息し、真水には弱い性質 があり、水道水で洗い流すのが有効です。切り身の魚は、 すでにさばいてある状態なので、洗う必要はありません。

肉も魚も、調理に使った包丁とまな板はすぐに洗うこと が大切。洗った後に熱湯をかけると消毒効果があります。

野菜は流水で洗うのが基本です。土をよく落とし、葉物 野菜は葉を1枚ずつはがして丁寧に洗います。ふり洗いす ると効果的。肉と比べ付着している細菌の量はぐっと少な いので、洗って周りに菌を広ぽるリスクは少なく、洗い落 とすメリットが大きいと言えます。

洗うという下ごしらえをする理由を改めて考えると食材 ごとに取り扱いが異なることが分かりやすいと思います。 (編集委員・大村美香)

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(出典:朝日新聞、2022/10/01)

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