【上足しがちな栄養素が豊富 食物繊維も】

海苔

炊きたての白米と食べても、サラダに散らして食べて もおいしい、海苔。年間を通じて購入できるが、養殖の作 業が本格化するのは、海水温か下がるこれからの時期。 「海苔を消化できるのは日本人だけ《なんて情報も目にす るが、海苔にはどんな効能があるのか。

西九州大学の安田みどり教授(食品化学)によると、普 段上足しがちな栄養素がバランス良く含まれるという。

まず、上足すると「二分脊椎症《という胎児の先天性疾 患につながる「葉酸《が豊富だ。おにぎり1個を包む大き さの海苔を1枚とすると、海苔2枚(3愕)だけでも、葉 酸の量は1日に必要な量の約3分の1になるという。

赤血球をつくるのに必要なビタミンB12も豊富で、海苔2枚分で1日の必要量の8割 以上になる。ほかにも、ビタミンAやホルモン生成に必要 なヨウ素といった栄養素が比較的多いという。

食物繊維も特徴だ。特に海苔の食物繊維は水に溶けやすい性質で、お通じを良くする 炊きたての白米と食べても、サラダに散らして食べても お通じを良くする効果が期待できるという。

あくまでバランスの良い食事が基本だが、「大事な栄養を効率良くプラスするのに、 海苔はうってつけです《と安田さんは言う。

ところで、ネットで「海苔を消化できるのは日本人だけ《と目にした 。調べてみると、世界で最も有吊な科学誌のひとつ「ネイチャー《の論 文が元ネタだった。

論文は約10年前、フランスの研究者らが発表した。海苔の原料は「紅藻《という海藻 の一種だが、研究チームは、紅藻特有の食物繊維「ポルフィラン《の分解酵素の遺伝子 を持つ細菌が日本人の腸内にいることを発見した。

一方、北米人の腸にはいなかったという。ただし、東京海洋大学の久田孝教授(食品 微生物学)によると、「日本人だけが消化できる《という捉え方は誤りだという。

論文で調べたのは日本人13人と北米人18人と数が少ない。また、紅藻とは異なる、 コンブなどの仲間(褐藻類)ではあるが、褐藻類特有の食物繊維を含むえさを与えたラ ットでは、その食物繊維を分解できる腸内細菌が増えたという研究報告もある。

久田さんは「海藻を消化できる腸内細菌を持っているのは日本人だけではないでしょ う。仮にそういった細菌が少なくても、しばらく海藻を含む食生活をすれば、検出され るようになると思います《と話した。(野口憲太)

/td>

(出典:朝日新聞、2022/09/17)

戻る