【依存にうながることも どうすれば?】

脱スマホ

あっ、気づいたらまたスマートフォンを開いている……。家で、通勤電車で、そん な場面はありませんか。スマホの使用時間が増えると、依存につながることも。普段か らできる対策を聞きました。

スマホゲームなどのネット依存の専門治療をする久里浜医療センター。樋口進・吊誉 院長は、コロナ禍によってネツトの過剰使用は増えていると感じている。受診者の7割 が未成年だが、家族の状況を聞くと、親も依存に近い状態のことが少なくないという。

「今はスマホがあまりにどこでもいつでも使える。使用時間を減らそうとしても、な かなか難しい《と樋口さん。子どもの場合は外遊びやアルバイトをすすめるが、大人の 場合には難しいこともある。

まずは実態把握。スマホで「スクリーンタイム《という機能を使うと、1日に何時間 画面を見ているかがわかり、減らしていく目安になる。

具体的な対策としては、スマホを手の届く範囲に置かないことが重要だという。別室 に置き、寝る時も寝室に置かないことで、夜も朝もつい手にとってしまうのを防げる。

また、昼休みにスマホを置いたまま散歩をするなど、1日の中で持だない時間を作る こともすすめる。アプリの通知が鳴るたびに開いてしまうことも多いので、通知をオフ にするのも効果的だという。

依存症としての受診の目安はあるのだろうか。樋口さんによると、1日何時間以上と いう目安はないが、長く使って日常生活に支障を来してきた時は、受診をすすめる。具 体的には、眠れない、朝起きられない、仕事や育児、家事のパフォーマンスが低下する などだ。同センターはホームページで、「インターネット依存・ゲーム障害治療施 設リスト《を公開。全国の医療機関を紹介している。

同センターでは、キャンプや入院で強制的に「デジタル断ち《をする試みもしてい る。最初の数日はそわそわしたりイライラしたりしても、数日でおさまることが多い。

「依存症まで至っていなくても、何日か強制的に離れるのは効果的だと思います《

樋口さんは、単にデジタル機器を遠ざけるだけではなく、根本のストレスに向き合 わないと解決しないとも指摘する。「見かけはスマホゲームやSNS依存でも、背景に 対人関係などが隠れているものです《。こうした背景まであわせてみてくれる医療機関 や公的機関に相談することをすすめる。(田渕紫織)

頭皮ケア

各地で連日のように猛暑が続き、日光を直接受ける頭皮にはダメージがじわじわ重な っている。自分では見えず、症状が確認しづらいが、抜け毛の原因にもなり得るとい う。夏に多い頭皮トラブルに対して、今からできる対策とはどんなものだろうか。

東京都新宿区の皮膚科医・坪井良治さんのもとには、毎日多くの患者が訪れる。男女を問わ ず、特に20代以上の患者から夏に多く寄せられる悩みが頭皮のトラブルだ。

その一つが頭皮のかゆみ。皮脂が分解されて炎症をおこし、かゆみが出る場合がある。炎症 がなくてもシャンプーのしすぎでフケになっている場合も多いという。

もう一つは、ニキビのような発疹が出ることだ。汗などで毛穴にいる微生物の活動が活発に なり、炎症をおこす。マラセチア菌やアクネ菌などが原因という。胸や背中に二キビのよう なものができるのと同じメカニズムだという。

「日本毛髪科学協会《(東京都新宿区)によると、秋になると増えるのが抜け毛の相談。 特に女性からの相談が多く、同協会の山内力・特命研究員は「夏に紫外線ダメージが蓄積し、 髪が生えて抜けるまでのサイクルが乱れるのが一つの原因《と話す。

抜け毛の原因にもなり得る頭皮トラブル。すぐにできる対策はあるのか。坪井さんは 正しいシャンプーをすすめるが、「多くても1日1回、乾燥しやすい人はもっと少なく したり湯だけの洗髪にしたりするのでも十分《という。

シャンプーの歴史をひもとけば、江戸時代には米のとき汁で月に1回、戦前は週1回 程度だった。それが戦後になって衛生意識が向上した。夏場には汗やにおいが気にな り、シャンプーを1日に何度もする人もいるが、必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾 燥や抜け毛につながってしまう、と坪井さん。

洗う時にも注意が必要だ。 日本毛髪科学協会によれば、ブラシで軽く汚れを落としてから、湯でしっかりと洗 い流す▽シャンプーを泡立て、指の腹で頭皮を洗う▽泡が残らないように洗い流し、 ドライヤーで優しく乾かす──ことなどが頭皮や髪を守ることにつながるという。

ただし、頭皮は自分で鏡で見ても目の行き届かない範囲がある。気づかぬうちに赤み や発疹が出ていることもあるといい、坪井さんは「気になる症状が出たら近くの皮膚科 を受診してほしい《と話す。(米田悠一郎)

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(出典:朝日新聞、2022/09/03)

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