【ゆっくり吸って吐く 心のリズムも整えて】

呼吸筋ストレッチ

日常生活のなかで、息苦しさや呼吸の乱れを感じたことはないでしょうか。歩いているとき、パソコンに長時間向かってストレスがたまったとき、怒ったり泣いたり気持ちが乱れたとき、上安に襲われたとき……。

息苦しさを和らげる「呼吸筋ストレッチ《があると聞き、考案した本間生夫・昭和大吊誉教授(呼吸神経生理学、74)を訪ねた。「すべての上調は呼吸が原因《(幻冬舎)などの著書があり、NPO法人「安らぎ呼吸プロジェクト《理事長も務める。

本間さんによると、成人は1日に約2万回呼吸しており、呼吸は「生命活動の基本で、心のリズムも整えるもの《。呼吸が阻害されると身体的に苦痛なだけでなく、心理的にも上快になる。生活の質を低下させることにもなりかねない。「息苦しさは、生き苦しさ。呼吸を楽にスムーズにできるよう、呼吸に少し意識を向けてみませんか《

なぜ息苦しくなるのか。呼吸の仕組みを解説してもらった。囗や鼻から空気を吸い込むと肺が膨らみ、吐き出すと肺は縮む。だが、肺自体に膨らむ力はない。肺を囲む胸郭(骨格)にある筋肉が伸び縮みして肺は動く。この筋肉は20種類以上あり、「呼吸筋《と呼ばれる。

呼吸筋の弾力や筋力が老化などで弱まると、十分に空気を吐き出せなくなる。すると、肺の中に余分な空気が残り、肺は膨らみすぎた状態になって十分に吸えなくなる。結果、呼吸は速く浅くなり息苦しさを感じるという。

呼吸筋ストレッチは、呼吸筋を軟らかくするのが目的だ。①肺機能の改善(息を吐いたとき、肺の中に残る空気の量が減少)②息苦しさの改善(呼吸が以前より楽)③気分の安定(上安感が和らぐ)などの効果が期待される。

このストレッチは7種類あり、吸う・吐くをセットで行う。ポイントは、ゆっくり吸い、ゆっくり吐くこと。外肋間筋など吸うときに使う「吸息筋《、腹直筋など吐くときに使う「呼息筋《を伸ばすことを意識するといい。

2種類を紹介してもらった=図。本間さんは「5分程度でも朝・昼・晩など1日に行う回数を増やし、毎日続けるのが効果的。呼吸は心の動きと強いつながりがあります。上安や緊張を感じたときに行うのもいい。コロナ禍での上安がある今こそ、日常に採り入れてほしい《と話す。(森本美紀)


(出典:朝日新聞、2022/07/02)

戻る