【椊物たんぱくで肉のあじわい】

大豆ミート

牛肉や豚肉の代わりに大豆を使い、肉のような食べごたえや食感が楽しめる「大豆ミート《の商品化が相次いでいる。スーパーの店頭には大豆ミートを使ったハンバーグやナゲットが並び、飲食店のメニューで見かける機会も増えた。脂質のとりすぎは気になるが、肉のようにしっかりした味わいも捨てがたい。そんな人たちの健康志向も人気を後押ししているようだ。

コンビニで見かけた大豆ミート製品を家で試食した。デミグラスタイプのハンバーグの見た目は、ひき肉のハンバーグそっくりで肉汁感もたっぶり。歯ごたえが少なめに感じたが、満足感は十分。ソーセージタイプも肉のようなうまみがしっかりあふれ、あっさりめな分、箸が進む。

この大豆ミート製品を開発した大塚食品(大阪市)によると、こだわったのは「食べ続けてもらえるおいしさ《。2018年に「ゼロミート《ブランドで販売を始めた大豆ミート製品は動物性の原材料を使っていない。高たんぱくで低脂質、食物繊維が豊富という大豆たんぱく質の特徴を生かしながら、肉製品のほぐれ感や弾力、香り成分などを科学的に分析、再現した。

飼育に多くの穀物や水が必要な食肉に比べて、大豆ミートの生産は地球環境への負担が少ない。同社製品部の江草潤課長は「椊物性たんぱくのおいしさを引きだし、新しい食のカテゴリーに育てたい。お米とパンのように、日によってあたりまえに選べるメニューとして食の幅を広げることができれば《と話す。

日本椊物蛋白食品協会の統計によると、大豆ミートに使われることが多い粒状の大豆たんぱくの国内生産量は、21年に約3万6千夕。10年の約2万3千㌧から大きく伸びた。日本医療栄養センターの井上正子所長は大豆ミートの食事へのとり入れ方について「椊物性たんぱくと動物性たんぱくの両方の良さを整理してバランス良くおいしく食べることが大事《と指摘する。

大豆たんぱくの成分にはコレステロールや血圧を下げる作用が報告され、うまくメニューにとり入れれば脂質の取りすぎを防げる。一方、動物性たんぱくには体に必要な働きをする必須アミノ酸が豊富に含まれる。井上所長は「肉に偏りがちだと思えば大豆ミートをとり入れ、互いに補いあえは望ましい状態になる。まんべんなく楽しく食べることが健康づくりに大切《と話した。(林義則)


(出典:朝日新聞、2022/06/18)

戻る