【煮出し、麦の量で自分好みに】

麦茶

冷たい麦茶が恋しい季節になった。おいしい麦茶をいれるコツを聞こうと、麦茶を製造・販売する1908(明治41)年創業の小川産業(東京都江戸川区)を訪ねた。

麦を煎る香ばしい香りが漂う工場には2機の石釜が並ぶ。小川良雄社長(67)によると、真夏には50度近い温度になる。麦茶の原料は大麦。六条大麦と二条大麦があるが、小川さんの会社では関東圈でとれた六条大麦を使う。

1つ目の釜で大麦と一緒に珪砂を入れ、250度で約1分。釜から出てきた大麦を見ると、熱で膨らんで白い中身が見える。こうすることで大麦のうまみと甘みを引き出す。次に2つ目の釜へ。180度で約1分。香ばしい麦の香りと色合いをつける。

焙煎を終えた麦茶。煮出し用は麦の粒を砕かない。「麦のうまみやコクがよく出るのは、やっぱりやかんを使った『煮出し』です《と小川さん。湯を沸かし、麦を入れて弱火で5~6分煮出し、火を止めて30分~1時間置いて冷ます。ティーバッグは取り出し、麦をそのまま入れている場合はこしてから冷蔵庫へ。

使う麦の量は、煮出し用は水1・5㍑にティーバッグ2個(1個13㌘)。火を止めて沸騰したお湯に麦を入れる「お湯出し《では、例えば1㍑に2個入れる。「煮出しに比べ、色やコクは少ない分洗練した味になる《と小川さん。「たまには煮出したり、麦の量や入れておく時間を変えたりして、自分好みの濃さの麦茶を楽しんでほしい《

中高年が水分をとるときは「塩分、糖分のない飲み物を、こまめにとることが大事です《と、帝京大学病院高度救命救急センター長の三宅康史医師(62)。「汗をかき、腎臓で尿をつくり、人間の体は持続的に水分を失っています。ただ、一度に水分をとると、加齢で弱ってきている腎臓や心臓に負担がかかり、冷たい飲み物は胃腸が冷え、食欲にも影響します《

和食を中心に1日3食とっていれば、厚生労働省が定める成人の1日の塩分摂取目標量(男性7・5㌘、女性6・5㌘)はとれており「塩分や糖分が入ったスポーツ飲料は運動をする人向けです《

麦茶には、熱中症に「やや上利《な利尿作用があるカフェインもない。「水や麦茶のような飲み物を、朝起きたとき、朝昼晩の食事のとき、入浴前後、寝る前に1杯など、何かに合わせてこまめに飲む習慣をつけるといい《(寺崎省子)


(出典:朝日新聞、2022/06/11)

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