【面倒いらずの「時短」料理】

レンチンレシピ

忙しい現代、おいしい料理を作りたいが時間も手間もかけたくない。そんな人におすすめなのが、鍋やフライパンを使わない電子レンジでチンするだけのレンチンレシピだ。SNSなどでも多くの料理研究家が手軽でおいしいレシピを公開している。

「初心者にも料理をする人にもめちゃくちゃおすすめ《

こう話すのはユーチューブなどで人気の料理研究家リユウジさん。数多くのレシピを公開しているが、電子レンジだけで作れる料理も多い。電子レンジ調理の魅力は取っつきやすさだという。「料理をしたことがない人でも電子レンジを使ったことがない人はほとんどいない。電子レンジのレシピは材料の量に応じて加熱時間も決まっていて、弱火にするとか面倒な料理の基礎が一切要らない《と話す。

もう一つの利点は、材料を入れてしまえば加熱している間に別の料理や洗い物など時間を有効に使えることだ。「もう1品にレンジで作る副菜を入れることで献立が広がる《と話す。

電子レンジ調理が人気を集めている理由についてリュウジさんは二つあると説明する。一つ目は、スマートフォン一つあれば様々なことができていろんな娯楽がある現代では、時間をかけない時短料理が求められていること。二つ目は単身世帯や2人暮らしなど少人数の世帯が増えたことだ。電子レンジ調理には1~2人前というレシピ、が向いているという。

簡単に作れることが電子レンジの魅力だが、注意しなければならないこともある。まず確認しなければならないのが、使っている電子レンジのワット数だ。家庭用では500ワットや600ワットのものが多い。ワット数が違うと加熱時間が変わってくるので、レシピのワット数を確認する必要がある。インターネットでは、ワット数が違う場合の加熱時間を計算できる便利なサイトもある。また、1人前のレシピで1・5人や2人と量を増やしたい場合、加熱時間は単純 に1・5倊や2倊にならない点だ。どのくらい加熱時間を延ばせばいいかは試行錯誤しなければ分からないので、慣れない人はレシピ通りに作った方が良い。

リュウジさんによると「電子レンジはあくまで調理器具の一つ。自分で料理をしない人が『手抜きだ』なんて言うが、料理のおいしさと手間は比例するわけではない《。便利な道具や調味料をうまく使って簡単においしい料理をつくってほしいとしている。リュウジさんのレンチンレシピで1番人気は「無水キーマカレー《。ラップで密閉することで水分が飛ばない電子レンジ調理の特性をうまく利用し、「鍋で作るよりもぜんぜんうまい《と評判という。

電子レンジは「体に悪い《と考えている人もいるが、実際はどうなのか。電子レンジに詳しい上智大学理工学部の堀越智教授は「温度の上がり方が急激だがガスコンロと同じように加熱するもので、体に悪いものができるわけではない《と説明する。

電子レンジで使われるマイクロ波と放射線を混同して悪いイメージを持つ人もいるという。また、寒いロシアでは電子レンジの普及で油分の多い高カロリー料理が手軽に食べられるようになり、生活習慣病が増えた。そこで旧ソ連時代に電子レンジの使用を抑えるために「体に悪い《という情報を流したという話もあるそうだ。こういうイメージや誤った情報が「体に悪い《につなかっているという。堀越さんは「特徴を知って使うともっと活用できる。高齢者などの安全な調理も手助けしてくれるので、ぜひ活用を《と話す。(姫野直行)
 


(出典:朝日新聞、2022/03/05)

戻る