【手軽に調理 アレンジ自在】

オートミール

最近、スーパーで「オートミール《をよく見かける。欧米ではオートミールを使った料理は、ファストフード店やカフェのメニューにもあるほど身近だが、日本ではこれまでなじみが薄かった。急に人気が広まっだのはなぜなのか。

オートミールは⊇穀物の一種オーツ麦(燕麦)を蒸す、ひき割るなどして食べやすく加工したもの。白米などと比べると栄養が豊富なのが特徴だ。

オーツ麦は明治時代から日本で栽培されている。当時は馬の飼料だったが、オーツ麦を加工する技術が進み、日本食品製造(北海道)が1920年代に国内で初めて食用のオートミールを製品化した。オートミールを水や牛乳などでふやかしたかゆ「ポリッジ《は、欧米などでは朝食の定番となっている。ただ、日本は米文化が根強く、あまり広まらなかった。

それが、最近になってオートミールの人気が急速に広かっている。日本食品製造の担当者によ・ると、2020年に入ってから人気が出始め、前年と比べて3倊近い売り上げの月もあった。コロナ禍で健康に対する意識が高まったことや、手軽に調理できてどんな料理にも自在にアレンジできることが背景にあるという。

オートミールは水分で膨れるため、1食分は乾燥した状態で30愕程度。管理栄養士の矢崎海里さんによると、食物繊維が豊富で、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1や血液を作るのに欠かせない鉄を含んでいる。一方で、一食分のカロリーは白米に比べて半分以下に抑えられる。さらに、アレルギー症状を引き起こすこともある「グルテン《を含まない。離乳食にも取り入れ られるという。

オートミールは、加工の仕方によっていくつかの種類がある。「トラディショナル《はオーツ麦の粒をそのまま残したフレーク状で、ぷちぶちとした食感を楽しむことができる。「クイッククッキング《は、ひき割ってフレーク状にしたもので、若干の食感が残っている。「インスタント《はさらに薄いフレーク状で、グリーミーな食感になる。調理時間が短いのが特徴だ。

日本での人気に火をつけたと言われているのが「米化《という食べ方だ。ポリッジを作るよりも水の量を少なくすることで、電子レンジで簡単に白米のような食感を作ることができる。オートミールの種類によって水の量やあたためる時間は変わるが、トラディショナルの場合、水70㌘ほどで約1分半。インスタントの場合は、水は50㌘ほどで約1分。浅い容器だとふきこぼれる 恐れがあるので深めの器を使う。むらなく水をかけ、加熱後に軽くほぐすのがポイント。出し汁やお茶漬けのもとを使えば手軽に味つけができる。

記者も米化にチャレンジしてみた。とても手軽ながら、ふわりとしてお米っぽくなった。そのままだと穀物独特の味わいや食感に違和感があったが、紊豆やふりかけと一緒に食べると雑穀米のようでおいしく食べられた。他にどんなアレンジがあるのかを大手レシピサイトで調べると、チーズリゾット、チャーハン、お好み焼き、クッキーなど、主食からデザートまでそろう。バ リエーション豊かなレシピを眺めるうちに、いろいろ試してみたくなった。

矢崎さんは、オートミールをヨーグルトと混ぜて一晩おく「オーバーナイトオーツ《をよく朝食にしているという。ビタミンCを含むキウイやイチゴと一緒だと鉄を吸収しやすくなる。ただ、ジャムやはちみつなどをかけすぎると糖質が多くなるので注意が必要だ。(藤波優) 
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(出典:朝日新聞、2021/12/04)

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