【食事が基本、パウダーで補充】

プロテイン

筋肉の合成に必要なたんぱく質が補給できるプロテインパウダーの販売額が伸びているそうだ。コロナ太りを解消しようと自宅で筋トレする人が増えているのかもしれない。たんぱく質の摂取のタイミングや、筋トレとの関係について、心がけたいポイントを専門家に聞いた。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)《によると、1日のたん ぱく質の推奨量は、18歳以上の男性で60~65㌘、女性では50㌘となっている。

たんぱく質の摂取の研究に詳しい立命館大スポーツ健康科学部の藤田聡教授によると、通勤や買い物などの移動や家事労働で1日合計2時間、仕事中の職場内の移動でるといった「普通《の身体活動レベルの人では、1日に必要な量は体重1㌔グラムあたりO・9㌘を目安にすべきだという。筋トレに取り組んでいる健常な人の場合では、さらに多めの1・6㌘で計算したほうがいい。

ただし、藤田さんによると「たんぱく質の補給は、3度の食事でとるのが基本《。3度の食事でしっかりとたんぱく質が取れていないと筋トレの効果は上がらない。もちろん足りない分をプロテインパウダーなどで補うのはかまわないという。

たんぱく質をとるタイミングはどう考えるべきなのだろう。

筋トシをした後の24~48時間は筋肉の合成が高まっているゴールデンタイム。この期間にきちんとたんぱく質をとるのが大切だ。たとえ筋トレの翌日で運動をしていなくても、しっかりたんぱく質を摂取するよう心がけることが重要で、筋トレ直後に慌てて摂取しなくても大丈夫だ。

ちなみに、筋トレのメニューを20~30回ぐらいやって、「きつい、もう無理、一回もできない《というところまでやるのが重要だという。

寝ている間は、夕食から朝食まで時間が空くことになるので、その閧は身体活動のために筋肉が壊されている時間になる。藤田さんは「寝る前にプロテインをのむことは、理論的には効果が期待できると考えられますが、効果を検証した臨床研究などのエビデンスがあるわけではありません《と話す。

むしろプロテインで満腹中枢神経が刺激されて、空腹感を抑えられ、朝食が食べられなくなることが懸念される。

たんぱく質の摂取とダイエットとの関係についてはどうだろう。

藤田さんは「たんぱく質はほとんどはエネルギーになり、脂質や糖質のようによぶんな脂肪になりにくいので、ダイエットには効果的だ《という。

ダイエットをしようと食事の量を減らすとき、たんぱく質まで減らすと筋肉が減って基礎代謝も落ちてしまい、リバウンドがしやすくなる。糖質をカットすることはかまわないが、たんぱく質の摂取も減ってしまうおそれもあるので、こうした方法のダイエットでは注意が必要だ。

最近は、子どもにプロテインを飲ませる親もいるようだが、子どもの成長にとってたんぱく質はとても重要だ。

藤田さんは、たんぱく質には、精神を安定させる「セロトニン《や、やる気につながる「ドーパミン《といった物質の分泌を促す働きがあることを挙げる。必要な量は年齢によって違うが、厚労省の「日本人の食事摂取基準《によると、8~9歳の推奨量は男女ともに40㌘、12~14歳では男60㌘、女55㌘などとなっている。年齢区分ごとの推奨量が示されているので、参考にできるという。(朊部尚)


(出典:朝日新聞、2021/11/13)

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