【その凝りに手の届く製品続々】

マッサージ器

コロナ禍が長引き、記者の仕事もリモートワークが増えた。自宅で長時間パソコン画面に向き合うと首や肩がガチガチに凝ってしまい、マッサージ店に駆け込むこともしばしば。自宅で肩凝りを解消したいが、最新の電動マッサージ器にはどんなものがあるのだろうか。

さっそく家電量販店をのぞいてみた。全国屈指の品ぞろえを誇る東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkiba店では、マッサージ器を買い求める若い人が増えたという。

同店の家電コンシェルジュ高沢浩二さん(41)は、自宅でパソコンやスマホを使う時間が増えたほか、マッサージ店やエステ店への外出を控える人もいるのではないかとみる。「マッサージ器を買うのは中高年が中心でしたが、今は、メーカー側は若い女性も意識して、ピンクなどカラフルな商品を増やしています《と話す。

高沢さんに売れ筋を教えてもらった。人気ナンバーワンは「ガンタイプ《。凝りをピンポイントで強くたたけるのが特徴だ。丸い先端がモーターで振動し、速さも調整できる。小さめで扱いやすく、腕や脚にも使える。

続いて、定番の「ハンディマッサージャー《。タイプはさまざまだが、昔からあるのは「くの字形《。アームは曲線を描き、手の届きにくい凝りに先端を当てやすい。値段は数千円のものが多い。

新技術の導入によって人気上昇中なのが「ネックマッサージヤー《。首や肩に「もみ玉《と呼ばれる電動部分を巻きつける夕昔ながらのタイプイプが多く、ほとんど操作がいらないのが魅力だ。充電式のコードレスタイプが増え、売れ行きが伸びたという。

数十万円と高価なマッサージチェアに対して、数万円とお手頃なのが「シートマッサージャー《。自宅の椅子やソファに置くだけで首から腰までマッサージできる。コース選択できるなど機能も多彩だ。

ほかにも、凝ったところにテープで貼る「高周波治療器《や、肩凝りからくる手や目の疲れを癒やす「ハンドマッサージャー《「アイマッサージャー《も人気だという。高沢さんは「おかけさまで売り上げは伸びています《。

記者は日ごろ、くの字形のマッサージ器で凝りを何度もぐりぐりしている。気持ち良いのだが、翌日に痛くなるだけで凝りは消えないことが多い。なぜか。東京医科大学整形外科准教授の遠藤健司さん(58)は「強くもみ続けてはいけません。傷ついた筋肉は、修復する時にさらに硬くなり、逆に肩凝りが悪化します《と指摘する。

遠藤さんによると、肩凝りとは、首を支える筋肉の血流が悪くなり、疲労物質がたまった状態をいう。程度が軽い場合を除き、「インナーマッスル《と呼ばれる深いところの筋肉をマッサージだけで軟らかくするのは難しいという。

では、マッサージ器は使っても意味がないのだろうか。遠藤さんは「人や機械にもんでもらう気持ち良さは、それはそれで大切《という。マッサージ器は、もみが強すぎず背中全体に作用するものを選び、同じところに長く使わないのがコツという。

首のインナーマッスルがついている肩甲骨を動かす「肩甲骨はがし《と呼ばれるストレッチもあわせてやることを薦める。

肩凝りは運動上足、姿勢の悪さ、ストレスなどが原因とされるが、自宅でのリモートワークは作業に集中しすぎればこれらが生じやすい環境だ。スケジュール管理をして、きちんと時間を区切って休むことも重要だという。(枝松佑樹)



(出典:朝日新聞、2021/10/02)

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