【室温目安に残暑もぐっすり】

初秋の睡眠環境

暦の上では秋。だが、まだまだ暑い日が続く。質の良い睡眠で「夏バテ《を解消したい。今の時期、快適に眠るためにできることや、秋に向けて寝具を替えるタイミングを、専門家に聞いた。

暑い夜は、まだ冷房をつけっぱなしにして寝ても大丈夫なのか。「問題ありません。冷房の風がからだに直接当たらないようにして、必ず掛け布団をかけてください《。寝具メーカー「西川《で、寝具や睡眠に精通するスリープマスターに認定されている森優奈さんは話す。室温を28度以下に保つのが大事という。「理想的な室温にして、湿度にも注目してほしい《と森さん。理想的な湿度は45~55%という。

寝室は人の出入りが少ないため、換気回数が少なくなりがちだ。押し入れ、クローゼットの換気も忘れずに。「収紊している寝具が湿気を吸収して、気づいたらカビが生えていたなんてこともあります《。外出前に収紊場所の扉を開けたり、扇風機で収紊や寝室に風を送ると良いという。

朝晩の寒暖差も気になるこの時期、冷房をつけるか悩んだときは、「睡眠指数《をチェックするのも手だ。和洋女子大学の水野一枝准教授と日本気象協会が共同開発した指数で、気象情報を使い、季節による温度や湿度の変化に対する「眠りにくさ《を市町村別に算出している。日本気象協会のホームページで10日先まで確認できる。

暖侯期(4~9月)は「暑さによる眠りにくさ《を五つのランクで評価。「寝苦しい夜《は「翌朝まで冷房と除湿を《、「やや蒸し暑い《では「室温28度以下で除湿も寝具メーカー「西川」への取材

からでヽ28度以下に保つ25度以下なら秋の寝具に必要《と、対処方法も示している。

水野准教授は、「温度計がないときや、冷房をつけるか迷ったときの目安になったらいい《と話す。

暑いと寝苦しいと感じるのはなぜか。眠りに入るとき、手と足がぽかぽかとあたたかくなり、からだから熱を逃す。からだの深い部分の深部体温が下がり、深い眠りにつく。室温が高いと、深部体温が十分に下がらず、体温調節機能を働かせようとして起きてしまうという。「冷房が苦手な人は、睡眠時間の前半の4時間程度はつけて、深部体温を下げましょう《と水野准教授は言う。敷きパッドや布団を硬めの素材にすることも有効だという。からだとの間に空間ができ、通気性が確保される。

睡眠には、日中、外で日の光を浴びることも大切だ。メラトニンというホルモンが寝る前に出てきて、自然と眠気を感じる。コロナ禍でテレワークも進み、自宅で過ごす時間が長い人もいるだろう。「日のあたる窓際では効果がありません。暑くない時間帯を選んで、ベランダにちょっと出ることもお薦めです《

一晩中冷房をつけたときや、夏の終わりが近づくとき、明け方に足元が冷えて目が覚めてしまったら、足元に薄手の肌掛けを置いておくと良いという。

気が早いかもしれないが、涼しくなってきたときの寝具の替え時が気になった。森さんは「『室温が25度以下』がひとつの目安《という。室温を基準にするのは、外は日中と朝晩で気温差があるからだ。まず、掛け布団を夏に使うタオルケットより保温力の高い薄手の布団に替える。シーツは、夏に冷感素材のシーツやマットを使った人は、年間通して使える綿などのアイテムにしていくのが良いだろう。

森さんは、「地域や住環境によっても温度は異なる。すぐ寒くなったり残暑が厳しかったり、毎年状況が異なるので、何月というのは言えませんが、室温を目安にしてみてください《と話す。(神宮司実玲)



(出典:朝日新聞、2021/08/21)

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