【運動と食事」が痛風防ぐ】

尿酸値を下げる

健康診断で「尿酸値が高い《と指摘されながら、特に支障もないので放っておいたら、急に足に激痛が走って動けなくなる。痛風の典型的な症状だ。コロナ禍で在宅勤務の徹底を強いられて運動上足に陥ったり、飲食店で酒が飲めないために家で飲んでいたらかえって酒量が増えたりすることが原因の場合もありそうだ。どんなことに気をつけたらいいのか。

尿酸は、細胞の核に含まれる「プリン体《が分解されてできる老廃物。通常は体内で尿酸ができる量と、体外に排出される量のバランスがとれているので、尿酸値は適正に保たれ

る。しかし、バランスが崩れて、尿酸が過剰に体内にたまってしまう場合がある。

日本痛風・尿酸核酸学会で副理事長を務める鳥取大学医学部の久留一郎教授によると、食生活の乱れで過剰に尿酸ができることや、尿酸の排出を担う腎臓や腸管の働きが弱まることで尿酸値が高くなる。高尿酸血症の状態が続くと、尿酸が結晶になって関節にたまって炎症が起きる。これが。「風が当たるだけでも痛い《と表現される痛風の発作だ。尿酸値が血液100㍉リットルあたり7㍉グラムを超えると高尿酸血症と診断される。この状態になったら投薬治療が必要だ。

尿酸値を下げるにはどうしたらいいのか。久留さんは「いちばん大切なのは生活習慣の見直し《と指摘する。肉や魚を食べ過ぎないなど食生活を見直し、体重を減らす。酒量も減らし、生活に適度な運動を取り入れることが必要だという。体重を減らすことが重要だが、体重を急激に減らしすぎると、逆に痛風が起きやすくなってしまう。散歩などの軽い運動を30分程度、週3~4日するといい。

また、痛風の発作はストレスがたまっているときに起こりやすいともいわれるため、ストレスをためないことも重要。ただ、飲酒でストレス解消を図ってしまっては痛風になりやすくなる。やはり適度な運動でストレスを発散するのが理想だ。

どのような食事をするべきなのか。東京都立墨東病院の土屋恵栄養科長に聞いた。

まずはバランスの良い食生活が基本になる。目標体重に近づくために食事量を減らし、主食、主菜、野菜のバランスのとれた食事を規則正しく取ることが大切で、水分も併せて多めにとることが必要だ。

特に注意が必要なのは、プリン体を多く含む食品。主にたんぱく質を多く含む食品の中で、特に肉や魚の内臓(レバー、白子、アンキモなど)、小魚類、干物などは控えるようにしたい。

飲酒はどうか。一般に、ビールがプリン体を多く含むと言われているが、ビールだけでなく、アルコール飲料全般が尿酸値を上昇させることがわかっている。アルコール飲料自体のエネルギーも高いので、「プリン体フリ上と表示があっ七も油断できない。また、アルコール飲料と一緒につまみで食べるようなおかずにはモツやホルモン、干物などプリン体を多く含む食品が多いので、適量を心がけ、飲み過ぎ、食べ過ぎに注意することが大切だ。

墨東病院では、一律にプリン体を減らす食事内容や減量について指導するのではなく、患者の年齢やライフスタイル、検査データなど他の疾患も考慮した上で、担当医師と情報を共有しながら総合的に栄養指導を進めているという。「患者さんが実践できることが一番大切。医師や管理栄養士と相談しながら1ヵ月に2♂程度の無理のない減量で尿酸値を正常値に近づけていきまう《(山野拓郎)


(出典:朝日新聞、2021/07/17)

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