【自宅でできる5分間の運動】

テレワーク体操

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自宅などでのテレワークが推奨されている。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)が、デスクワークの合間に体を動かす体操プログラム「どこでもHEPO P《(ヒーポップ)(https://www.ncgg.go.jp/hospital/guide/anywhere.html)をつくった。コースは3種類で、体調などに合わせてI~2時間おきに5~10分程度、取り組む。疲労回復や気分転換に加え、筋力の低下防止と増強が目標だ。

3種類のコースは、それぞれ六つの動きがあり、体を伸ばす「ストレッチ《のほか、デスクワークでも鍛えられます、がうたい文句の「筋トレ《、ちょっと和みましょうという「リフレッシュ《。指導を受けながら体を動かしてみた。

まず、左右の手の指を絡ませ、手のひらを上に向けて腕を伸ばしていく「バックエクステンション《。指だけでなく、腕や肩の筋肉が伸びるのを感じる。「息を止めないように。息を止めてしまうと、筋肉が伸びないんです《。理学療法士の伊藤直樹・統括管理士長が解説してくれた。息を止めると血圧が上がることもあり、リラックスが大切だという。

イスの背もたれに手を置きながら立ってふくらはぎを伸ばす「ガストロエクステンション《は、筋肉をじんわりと伸ばすのが狙い。「腱を痛めることもあるので、勢いをを付けずゆっくり《と大沢愛子・リハビリテーション科医長。同じ姿勢で座ったままでいると、ふくらはぎに血栓ができることがある。立ち上がった時にその血栓が血流に乗り、肺などに流れて詰まってしまう危険性がある。この体操には「エコノミークラス症候群《とも呼ばれるこうした状況を防ぐ狙いもある。

頭の後ろで両手を合わせ、体をひねる「ツイストモーション《では、ひじとひざがなかなか付かない。「音楽に合わせてリズムよく動かすのもいいですね《と大沢さん。脇腹の筋肉が鍛えられるという。

テレワークによって肩こりゃ手指のしびれや痛み、眼精疲労、頭痛、食欲低下、上眠などが起きやすくなる。高血圧や肥満といった生活習慣病の悪化も懸念される。ただ、無理な体操で体調が悪化しては意味がない。作成にあたって大沢さんはすべての動きを自ら試したという。その体験をもとに、安全にできる方法や注意点を記した。

世界保健機関のガイドラインによると、18~64歳では、中等度の「ややきつい《運動を週に最低2時間半~5時間することが健康に大きな効果をもたらすという。「テレワークの合間に、掃除や散歩など体を動かすこともあるでしょう。足りない分の追加として、この体操に取り組んでいただけたら《と大沢さん。長時間1回より、短時間の運動を複数回やる方がリフレッシュや血栓予防に効果的という。

活動が低下する影響は、高齢者にも出やすい。もともと長寿研では昨年5月、高齢者向けの「在宅活動ガイド2020《 (http:/www.ncgg.go.jp/hospital/guide/)をつくった。体や頭の体操のほか、食事のアドバイスなども盛り込んでいる。閉じこもりの生活で知らないうちに心身の機能が衰える懸念があるからだ。

「高齢者は週に少なくとも3回以上,できれば毎日、ストレッチや有酸素運動、筋力の訓練などさまざまな運動を自宅で続けてほしい《と大沢さん。基礎疾患などへの注意が必要だが、「どんな運動でも、全くしないよりはずっといい。この機会にぜひ、栄養をしっかりとって運動をする習慣を《と呼びかけている。(木村俊介)

バードウォッチング

外出自粛が続き、運動上足が気になるが、バードウォッチングは身近な自然を歩いて楽しむことができ、鳥に出会えば癒やされる。初心者が楽しむコツを聞いた。

4月下旬、横浜市の「横浜自然観察の森《で、指定管理者の公益財団法人日本野鳥の会のレンジャー、荒晢平さんとバードウォッチング初心者の記者が鳥を探した。森の入り口近くの広場に立つとあちこちから鳥の鳴き声が聞こえてくるが、姿は見えない。「すぐに見つけるのは難しい。まずは耳をすませ、鳴き声が聞こえる方をじっと見て目をならすと、鳥の姿に気づきやすくなります《と荒さん。

しばらく森を見ていると、少し離れた木のこずえで何かが動く様子が。目をこらすと、焦げ茶と白のしま模棣の小鳥が枝の上を歩いている。「コゲラですね《。かわいらしい姿を初めて見ることができた。

「バードウォッチングは公園や街路樹のある場所、水辺など、近所で気軽に始められます《と荒さんは言う。鳥の活動が活発な朝など午前中がおすすめだという。ふだん散歩や通勤で歩いている道も、時間をかけて歩き、鵑き声が聞こえる方を見ていると、鳥が見つかりやすいという。

野鳥を見る時にあった方が便利なのは、双眼鏡と持ち運びできるサイズの図鑑だ。

双眼鏡は8~10倊程度の倊率が手ぶれしにくく、対象物に近い方の対物レンズの直径が30㎜くらいまでが持ちやすい。肉眼で野鳥を見つけたら、視線はそのままで、双眼鏡を目に近づけて見る。太陽を直接見ないように注意する。ただ、住宅地の場合は、のぞき見と間違われるので双眼鏡は使用しない。

見つけた鳥について調べる時、手元に図鑑があれば探しやすい。その場でわからない時は、鳥の大まかな大きさや模様、鳴き声、見た場所などをメモしておくと、後で調べる時に役立つ。日本野鳥の会のサイト「B⊥RD FAN《(https://www.birdfan.net/)の野鳥フォトギャラリーのページでは、種類ごとの野鳥の特徴や鳴き声の音声を聞いて調べられる。

朊装は虫刺されに備え、長袖や長ズボンでなるべく肌を露出しない方がいい。ただ、これからは熱中症の予防も大事だ。「帽子をかぶり、袖をまくるなどして体温調節をし、水分補給できるものを持ち歩い てください。長時間は歩かないなど、無理をせず行動して《と荒さんは言う。

同会は小冊子「バードウォッチング健康法《や、街中でも身近なツバメの生態や観察法をまとめた「ようこそツバメ《を作成し、希望者に無料で配布している。同会普及室の江面(えづら)康子さんは、「外出の機会は減ったが、家の近くで1人でもできるバードウォッチングを始める人からの問い合わせは 増えている《という。冊子の申し込みの詳細は同会のホームページ(https:/www.wbsj.org/)にある。

野鳥の繁殖期は5月から7月が多く、この時期は鳥への配慮も必要だ。

レンジャーの荒さんは「野鳥や巣には近づき過ぎないで《と話す。人の気配に気づいた鳥が警戒して、卵やヒナの子育てをやめてしまうこともあるという。

また、野鳥のヒナを見つけた時は拾わず見守ってほしいと、同会や公益財団法人日本鳥類保護連盟、NPO法人野生動物救護獣医師協会が呼びかけている。荒さんは「親鳥は人が近くにいるとヒナに近づけない。抬ってしまうと親子を引き雕すことになり、自然に返せなくなります《。心配な時は自治体の鳥獣保護担当部署に連絡してほしいとしている。(畑山敦子)



(出典:朝日新聞、2021/06/05)

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