【交互に「早歩き」「ゆっくり」】

インターバル足歩

ランニングは好きなのだが、なかなかまとまった時間がとりにくい。そこで効率よく体力向上の効果が期待できる「インターバル速歩」というウォーキング法があると知り、取り組んでみた。

インターバル速歩は、ややきつめの早歩きと、ゆっくりとした歩きを3分間ずつ交互に繰り返すというものだ。信号などにつかまらないよう、大きな公園で実際にやってみた。最初の3分間を歩いてみると体温の上昇を感じた。その後にゆっくり歩きをしていると、ふたたび早歩きしようという気持ちが起こってくる。交互に5セットしてみると、少し汗ばむように感じた。これを週4日以上繰り返すと、体力の向上などの効果が期待できるという。これなら無理なくできそうだ。

早歩きのやり方の基本はこうだ。まず背筋を伸ばす。25bほど前の方を見ながら歩く。足を踏み出すときはできるだけ大股にして、かかとから着地する。ひじは直角に曲げて大きく振る。こうすると大股で歩きやすくなる。

早歩きのスピードも重要なポイントだ。歩いていて「ややきついな」と感じることが大切。5分ほどで息がはずみ、10分で少し汗ばみ、15分ですねに軽い痛みを感じる程度が目安だという。

インターバル速歩を提唱している能勢博・信州大学特任教授に、一般の人からよく受ける質問への回答を教えてもらった。

まず時間帯について。運動トレーニングは一般に午後3〜6時ぐらいがベストとされるが、それ以外の時間帯でもストレッチを入念にすればかまわない。ひざや腰に痛みがある場合への対応は、症状が悪くならない限りは実施しても大丈夫だ。

さらに、1日30分のまとまった時間がとれないときは、朝昼晩で10分ずつなど小分けにしてもよい。週4日するのが難しいのであれば、一週間の早歩きの合計で1時間を確保できるよう、週末にまとめて取り組んでもかまわない。

早歩きは「体力」の向上が目的だ。成果を見る一つの目安に、全身の酸素消費量がある。心臓から拍出する単位時間あたりの血液量を多くして、筋肉のエネルギー源となる酸素消費量を増やしたい。そのためには、その人の最大酸素消費量の60%以上を運動で消費しなければ効果を期待できない。多くの中高年の場合、早歩きがこの60%以上の酸素消費量に相当する運動になるという。

能勢さんは、246人の中高年者を「従来の生活」「1日1万歩歩く」「インターバル速歩」(週4日以上、1日30分以上)の三つのグループに分け、5ヵ月間観察したところ、インターバル速歩のグループでは最高酸素消費量が8%向上し、生活習慣病の改善にもつながっていた。これに対して、「1日1万歩」や「従来生活」のグループでは変化がなかった。

また、信州大の増木静江教授の研究チームに能勢さんも参加して、679人の中高年を5ヵ月間にわたり観察したところ、週平均での早歩き時間が50分間までは、歩く時間に比例して最高酸素消費量が増えたが、それ以上では頭打ち状態になった。

宇宙飛行士の筋力維持の研究にJAXAと取り組んでいる労働安全衛生総合研究所の松尾知明主任研究員は「強い運動負荷と弱い運動負荷を交互に実施するインターバルトレーニングに、効果があることがわかっている。中高年は負荷が高い強度の運動を避ける傾向があるが、無理のない範囲で積極的に取り組むべきだろう」と話している。(服部尚)



(出典:朝日新聞、2020/01/09)

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