【ズポーツ吹矢 肺の奥まで膨らみ、動脈硬化を予防】

的を狙って息を吐き出して矢を放つ「スポーツ吹矢」が、中高年を中心に広まっています。腹式呼吸と胸式呼吸を組み合わせた動作がベースになっており、様々な健康効果も期待できるということ で挑戦してみました。

1998年に日本スポーツ吹矢協会(東京都)が設立されたことをきっかけに普及し、現在は全都道府県にある1300ヵ所以上の支部を拠点に、10万人以上の愛好者がいるという。同協会の銀座教室で、上級公認指導員の石黒寛明さんに基本動作を教わった。

必要な道具は、長さ約120aか約100aの筒と、プラスチックフィルム製の先が丸くなった矢。上級者は10bの距離から直径24aの的を狙うが、初心者ということで6bからスタートした。

まず、的の正面に立って一礼。肩幅程度に開いた両足を、正面から斜め45度の角度にずらして姿勢を安定させる。筒を水平に保ちながら矢を入れ、3秒かけて鼻から息を吸いながら両腕を高く上げていき、9秒かけて口からゆっくり息を吐きながら筒を下ろす。「このとき、全ての空気を吐ききることがポイントです」と石黒さん。

さらに、鼻から息を吸いながら筒を持ち上げて構え、囗でしっかり筒をくわえてから一気に吐き出す。時速100`以上で飛び出した矢が的に突き刺さると爽快な気分だ。的の中心が高配点で、Iラウンド5本の合計を競う競技になっているが、真ん中を狙うのはなかなか難しい。「ゲーム性があることで熱中し、続けられるひけつになっています」

深く息を吸って大きく強く吐くことで、肺の奥の肺胞を伸縮させる効果もあるという。同協会顧問で災害医療センター名誉院長の荒井他嘉司さんは、「肺胞を膨らませると周囲の毛細血管が引き伸 ばされ、生理活性物質が放出される。この物質は血の流れをよくしたり、血管を広げたりする作用を持っており、動脈硬化の予防にもつながる」と話す。加えて、腹式呼吸によって脳内のセロトニンが増え、精神を安定させる効果なども期待できるという。(佐藤建仁)



(出典:朝日新聞、2019/02/02)

戻る