【母乳育児 赤ちゃんの感染症予防に効果】

乳児用の液体ミルクが災害時に海外から届けられ、注目を集めましたが、母乳への期待も根強いようです。母乳には、どんな利点があるのでしょうか。

母乳育児の国際資格を持つ神奈川県立こども医療センターの大山牧子さんによると、母乳は最適な栄養のほか、病原体を食べる細胞や抗菌作用のある成分などを含むため、乳児が感染症にかかりにくくなる。そのうえ、消化しやすい。

厚生労働省の乳幼児栄養調査(2015年度)の結果では、母乳で乳児を育てたい母親は9割を超える。一方、生後1カ月時点で母乳だけで育てていたのは約5割、粉ミルクと母乳の「混合」が45・2%、粉ミルクのみは3・6%だった。また母乳が「出ない」と悩む人は約1割、「足りているかわからない」、は約4割、「不足ぎみ」は約2割にのぼった。

妊娠中から知っておくと良い「コツ」がある。「産後すぐに授乳し、子どもが欲しがるだけ与えると、母乳の量が増えてくる」と大山さん。そうしないと、おっぱいが張って授乳時に痛みを感じ、さらに母乳が出にくくなるという。

母乳に悩む母親を支援するNPO法人もある。専門知識を学んだ母親たちが設立した「ラ・レーチェ・リーグ日本」は.各地で悩みを聞く会を開催。「日本ラクテーション・コンサルタント協会」は母乳に関するQ&Aをホームページで掲載中だ。国立成育医療研究せンターの「妊娠と薬情報センター」は、授乳中の薬に関する情報を公表している。

ただ、支援や助言を受けても十分に母乳を与えられない人はいる。選択肢として、すでに広く使われている粉ミルクや注目され始めた液体ミルクがある。

日本乳業協会によると、粉ミルクは菌の感染を防ぐため、70度以上のお湯でつくる。飲み残しを与えるのも厳禁だ。ミネラルウォーターでつくるとミネラルバランスが崩れることがあるため、担当者 は「水道水でOK」と話す。液体ミルクは8月に国の販売基準が整備され、来年春にも発売される見通し。お湯が不要ですぐ飲めるため、災害時などにおける活用が期待される。(福地慶太郎)



(出典:朝日新聞、2018/11/24)

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