【筋膜リリース 全身のよじれを解きほぐす】

長時間のパソコン作業が続き、ストレッチやマッサージをしてもすぐにこりが戻ってしまう──。そんな時には、全身を覆う筋膜がこり固まっているのかもしれません。注目が集まる「筋膜リリー ス」の方法を教えてもらいました。

筋膜は筋肉を包み込んでいる薄い膜で、皮膚の下にある浅筋膜、筋肉の上をボディースーツのように全身を連続して覆う深筋膜、一つひとつの筋肉を包む筋外膜などの5種類に分かれている。コラ ーゲン繊維とエラスチン繊維が重なりあって構成されている。

筋膜が注目され研究が進んだのはこの40〜50年。遠くの物を拾うなど、全身の筋肉を連動させてスムーズに動けるように、離れた筋肉をつなぎ合わせる役割があることも分かってきた。

理学療法士で首都大学東京教授の竹井仁さんは「毎回同じ方向で足を組むなど偏った動作を続けたり、長時間同じ姿勢でいたりしていると、筋膜がよじれて動きにぐくなる『機能異常』が起こってしまう」と話す。、その結果、筋肉の動きが悪くなって痛みが出たり、他の部分でかばおうとして広範囲に筋膜の異常が波及してしまったりするという。

筋膜は、頭から手や足の先まで、前後内外につながっている。このつながりに沿って、様々な方向によじれを解きほぐすのが筋膜リリース。コラーゲン繊維が一部に寄り集まった状態をほどくには、強い圧によるマッサージなど「無理な力では逆効果」(竹井さん)だそうだ。

全身の筋膜リリースのうち、体の前後や内側と外側の筋膜のつながりをほぐす、基本の二つを教えてもらった。気持ちいいと感じる程度の伸び方で、バターが溶けるようなイメージでほぐれていく のを感じながら、90秒以上待つ。朝、昼、入浴後と、1日3回を2週間続けると徐々に体の変化に気づくという。

竹井さんは「やって固いと感じる方向を重点的に伸ばすといい。体のくせを整えてけがの予防につながる」と話す。ただし、動脈瘤がある人やけがの直後などは筋膜リリースをしない方が良い場合もあり、注意が必要だ。(月舘彩子)



(出典:朝日新聞、2018/11/03)

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