【職場ドック 働く環境を仲間と一緒に良くする】

職場のメンタルヘルス対策として、同じ部署の仲間が働く環境を良くしようと一緒に取り組む「職場ドック」が、自治体や企業に広がりつつあります。

職場ドックは、ストレスが少なく、働きやすい職場づくりのための参加型活動だ。「ミーティング・情報の共有化」「仕事と休みのバランス」「仕事のしやすさ」など六つの領域で、職場の実情に合わせて改善点を検討し、実行する。

高知県庁では2011年度から、ほばすべての職場(現在、本庁の課・室、出先事務所など含め172)で取り組んでいる。年末には自己評価と課題などを報告してもらい、すぐれた取り組みを表彰している。

16年度は「仕事の内容を詳細に分析して効率化を図り、時間外労働時間を全体で7割近く減らした職場が、昨年度は、職員全員が参加し、地震や土砂災害に備えて避難経路や避難先の検証を行った職場が、それぞれ大賞に選ばれた。

同県職員健康推進監で産業医の杉原由紀さんは「『気になっているが、あえて言うほどもない』と思っていることを出し合うことで、職場についてのお互いの考えが理解できるようになり、コミュニケーションも活発になる。『やって良かった』という声が多い」と言う。

12年度から取り組む北海道庁では昨年度、全職場(638)の約9割が参加した。職員からは「心理面での良い効果を実感できた」という感想が多いという。

精神障害による労災認定件数が毎年度約500件で高止まりする中、働く人の心理的な負担の程度を把握するための「ストレスチェック」が15年から事業者に義務づけられた。厚生労働省は今年度から5年間の第13次労働災害防止計画で、ストレスチェックの分析結果を職場環境改善に活用する事業場の割合を6割以上にする目標を掲げている。

職場のメンタルヘルスに詳しい川上憲人・東京大大学院教授(精神保健学)は「職場環境改善では働く人の意見を聞くことが大事なポイントだ。管理職が自分の思い込みだけで進めると効果が出ないことがある」と指摘する。 出河雅彦)



(出典:朝日新聞、2018/07/21)

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