【レモンの効用 クエン酸などの機能成分が豊富】

レモンが人気です。国内の収穫量はこの20年間で約3倍に増え、1万トンを突破しました。その6割以上を広島県が占め、「レモン県」として地域おこしも盛んです。

県立広島大学のレモン健康科学プロジェクト研究センターは、レモンのさまざまな効用を調べている。センター長の飯田忠行・保健福祉学部教授は「ビタミンCやクエン酸、リモネンなどの機能成分が豊富に含まれている」という。

大学と飲料メーカーのポッカサッポロの共同研究で、中高年の女性40人が6カ月、カルシウムを加えたレモン果汁を飲み続けたところ、カルシウム吸収が促進され、骨密度が上昇するデータを得た。

これはクエン酸が持つキレート作用だという。カルシウムなどのミネラルが吸収されやすい形に変わる。カルシウムのみを単独で取り続けた他の研究などとも比較し、「レモンには骨粗鬆(こつそしよう)症を予防する効果がある」とみている。

ほかにもレモンには抗酸化作用や減塩の効果が期待できる。血管の病気に詳しい内科医の池谷敏郎さんは「高すぎる血圧を下げる効果を示す研究結果も出てきた」と話す。

池谷さんは毎日1杯、トマトジュースにレモン果汁を加えて飲んでいる。レモンの酸味には塩昧を引き立てる効果があるので、少ない塩分でもしっかりした昧を感心るそうだ。しようゆにもレモン果汁を加えれば、少量で満足感が得られるので減塩になる。

でも、レモンの使いみちって、ジュースや調味料の代わり程度なの? 「から揚げにかけるくらいしか用途を思いつかないなら、本当に残念」と悔やむのは、管理栄養士で料理研究家の柴田真希さんだ。主食にもおかずにも、レモンは幅広く使えると訴える。

メニューとして紹介してくれたのが、レモンを使ったすし。カルシウムが豊富なイワシの缶詰や、マグネシウムが含まれるナッツ類を使って、骨を丈夫にするレシピにしたという。「レモンをもっと日常に取り入れて」と、柴田さんは提案している。(伊藤隆太郎)


(出典:朝日新聞、2018/05/12)

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