【健康的な働き方 点検したいオフィスでの行動】

仕事に熱中するあまり長時間座りっばなしになることはありませんか。そんな働き方が健康に及ぼす影響に関心が高まり、社員が健康的に働けるような職場環境を工夫する企業も出てきました。

2009年に世界保健機関(WHO)が出したリポートによると、身体活動や運動を日常的に行わない「身体不活動」は全世界の死亡リスクの5・5%と推定される。高血圧、喫煙、高血糖に次いで4番目の高さだ。

名古屋市立大の榎原毅講師(産業人間工学)は「かつては」休日などに運動をすればふだんの運動不足を補えると考えられていた。しかし、仕事中の『身体不活動』と心血菅疾患、がん、糖尿病との関連性を示す海外の研究がいくつか出され、運動の程度とは無関係に、健康への悪影響があることが示されつつある」と言う。

2015年度の経済産業省「健康経営に貢献するオフィス環境の調査事業」では、約2万人のビジネスマンを対象に、健康状態、仕事への意欲、職場の作業環境・人間関係など約140項目のアンケートを実施。健康を保持・増進するオフィスでの行動として、「快適性を感じる」 「コミュニケーションする」 「休憩・気分転換する」 「体を動かす」などの七つが重要であることがわかった。

調査グループは、七つの行動の達成度合いを点検するため、@体に合わせて椅子の機能を調節しているA作業面が十分に明るいB雰囲気が友好的であるC仕事の合間に雑談することがあるDオフィス内をよく歩いている──など17項目からなるチェックリストを作った。

生産性向上への期待から、社員が座りっばなしにならないよう電動で昇降する机を導入したり、フロア内を歩き回れるように回廊を設けたりする企業もある。

産業医の経験が長く、同調査事業に参加した岡田邦夫・健康経営研究会理事長は「働き方が健康状態に影響していることを理解することが大切。チェックリストで自分の働き方の健康度を把握し、できていない行動を増やすよう心がけてほしい」と話している。(出河雅彦)



(出典:朝日新聞、2018/04/21)

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