【勤務間の休みの取り方 一定時間以上、仕事から離れて】

働きすぎを防ぐためには、仕事を終えてから次の仕事を始めるまでに一定時間以上の休息をとる必要がある。こんな考え方から、「勤務間インターバル」に注目が集まっています。

労働安全衛生総合研究所の研究チームが2015年に国内のIT企業に勤める社員54人を対象に、勤務間インターバルと血圧を調べたところ、年齢などの影響を除いて比べた最低血圧は、勤務間インターバルの長さが比破約短いグループのほうが長く確保できているグループに比べ有意に高いことがわかった。

勤務間インターバルが短くなれば、睡眠時間も十分とれなくなる。米国では、健康な男女164人にかぜウイルスを投与し、平均睡眠時間の違いでかぜのかかりやすさに違いがあるか調べた研究がある。15年発表の論文によると、睡眠5時間未満では45%がかぜをひいたが、7時間以上では約15%にとどまった。

EU諸国では、最低でも連続11時間の勤務間インターバルを設けるルールが導入されている。だが、日本では一律の規制はなく、15年度に厚生労働省が行った調査によれば、国内で導入している企業は2・2%。トラック、バス、タクシーの運転者については原則8時間以上の休息時間を取るよう厚労省が基準を定めているが、16年に監督指導を受けた4381の事業所のうち32%に当たる1399事業所が守っていなかった。

一方、物理的に仕事から離れるだけでは、十分な休息を取ることはできない。スウェーデンの研究者が翌日の仕事に対する不安の度合いと睡眠の質の関係を調べた研究では、帰宅後も心理的に仕事に拘束されている人ほど、深い眠りである徐波睡眠の量が低下していた。

労働安全衛生総合研究所の久保智英・上席研究員は「情報通膚機器の発達で、職場を離れても電子メールなどによって仕事に対する心理的な拘束を受け続ける人が少なくないが、健康を維持するには、十分な睡眠に加え、仕事のことを考えないオフの時間を作って、メリハリをつけることが重要だ」と言う。(出河雅彦)



(出典:朝日新聞、2017/12/02)

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