【高反発マットレス 「低反発マット」より寝返りしやすい】

何年か前に低反発マットレスというものがはやったと思ったら、いまは高反発マットレスが人気だそうです。どんな特赦があるのか調べてみました。

柔らかいのが低反発、硬いのが高反発と思っている人もいるが、少し違う。高反発のマットは押すと変形の大きさに比例して押し返す力が働く。バネに似ている。これに対し、低反発のマットは押しても押し返す力はあまり変わらずにずぶずぶと沈んでいく。体が包み込まれるようで寝心地がいい。低反発の方が冬に温かいが、逆に夏は暑い。

高反発マットレスのメーカーは「低反発の方が寝心地がよく感じるかもしれないが、起きてからすっきりするのは高反発」と効用を説明する。

睡眠に詳しいすなおクリニック(さいたま市)の内田直院長は「睡眠の質が寝具によって変わるか、根拠のある実験をするのは難しい」という。睡眠の質は「上司に叱られた」など昼間の生活が大きく影響し、条件をそろえにくいからだ。そこで、内田さんは睡眠への影響を間接的に調べるため、寝返りに目をつけ、教授だった早稲田大で実験した。

健康な人8人にマットの上で手を使わずに寝返りをさせ、腹筋などの動きを筋電図で調べた。高反発に比べ、低反発では大きな力が必要で、手を使わずに寝返りを打つのがほとんど無理な人もいた。

「意識を持って意図的でないと動かない筋肉が使われるので、寝返りを打つために睡眠が中断されてしまう可能性がある」という。低反発は高反発以上に体にかかる力が全体に散らばるので、自分で佐を動かせない高齢者にはいいが、健康な人には向かないのかもしれない。

また、男性スポーツ選手51人が参加した米スタンフォード大などの実験で、睡眠や気分などの尺度には差が出なかったが、睡眠後の運動能力で高反発の方がややよかったという。

両者の差は科学的検証がまだ少ない。欧米ではふかふかのベッドヘのあこがれもあり、高反発は受け入れられにくいそうだ。最後は好みの問題といえる。(鍛治信太郎)



(出典:朝日新聞、2017/11/18)

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