【新聞・広告で体操 身近な日用品で安全に健康維持】

日々たまっていく新聞と、新聞と共に宅配される新聞広告。健康維持の道具と して活用している専門家がいると聞き、訪ねてみました。

日本体操学会長の金子嘉徳・女子栄養大教授は新聞や新聞広告、ペットボトル、レジ袋などを使い、高齢者らが気軽にできる体操を多数、考案してきた。

「食事と同じで、運動もバランスよく色々な動きを組み合わせるのが効果的。市販の運動用具を何種類もそろえなくても、身近な日用品を利用すれば、多彩な運動ができる」と金子さんは言う。

たとえば丸めた広告を使った脇腹のストレッチ=図参照。何も持たずに行うと、いつの間にか前かがみになるなど自己流に陥ることがある。広告を持てば、真横に体を傾け、脇腹をしっかり伸ばせる。視線は動かす広告を追うように。

応用で、両手を体の真横から床と水平にゆっくり体の前面に動かして両手の広告をくっつける、あるいは両手を真横から頭上に上げるストレッチもできる。

手首が動く範囲を広げるには、「綿あめ」を作るような運動が効果的。「かき氷」を作るように、広告を床と水平に持ち、片方の広告を軸にもう片方の広告をグルグル回す動きも同じ効果がある。

転倒予防には、足の上げ下げなどに重要な大腰筋を鍛えるといい。三角形に折った新聞紙を、足をなるべく高く上げたステップで左右にまたぐ運動のほか、前後にまたぐステップも大腰筋を使う。

埼玉県坂戸市では、昨年度までは市主催の教室で、今はボランティアの「元気にし隊」が金子さん作成のテキストに基づき、新聞や広告を使う運動などを教えている。市民生活課によると、参加者からは「紙なのでよろけてもけがをする心配がない」といった声が出るという。

複数の運動を組み合わせる場合、「まず体を伸ばしたり曲げたりし、次にねじったり回したりして体を温める。それからステップなどはずむ動きに移れば、より安全に運動できる」と金子さん。寒いと筋肉が収縮して動きにくいので、体が温まるまでは室温や服装にも工夫を。(大岩ゆり)



(出典:朝日新聞、2017/10/28)

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