【妊婦の葉酸摂取 妊娠初期の脳神経形成などに重要】

妊娠を考える人や妊婦は、葉酸を意織的に摂取した方が良いと言われます。海外では葉酸を添加した食品が普及している国もあります。

葉酸はビタミンB群の一つ。たんばく質などの合成や赤血球の形成、胎児の成長に必要とされる。水に溶けやすく、体内で蓄積されにくいため、毎日、摂取することが重要だ。

日本人の食事摂取基準2015年が推奨する1日あたりの葉酸摂取量(マイクログラム)は、18歳以上の男女とも240だが、妊婦は480、授乳婦は340と多めにとることが推奨されている。

しかし、2015年国民健康・栄養調査によると、妊婦が実際にとっている葉酸の平均は同265、授乳婦は254で、いずれも推奨量を下回っていた。

妊婦で葉酸が不足すると、アミノ酸代謝に異常が起き、無脳症や二分脊椎などの神経菅閉鎖障害の一因になると考えられている。国や日本産科婦人科学会などは妊娠を希望する人や妊婦に、食事に加えてサブリメント類で1日400マイクログラムの葉酸を摂取することも推奨している。神経菅の閉鎖は妊娠6週ごろまでに完成するため、妊娠の1カ月以上前から妊娠12週までの摂取が重要だ。

泌尿器科医や産婦人科医らでつくる「葉酸普及研究会」によると、米国やカナダなどでは小麦などの穀物食品への葉酸の添加が義務づけられており、神経管閉鎖障害の発症者が大幅に減ったとの報告があるという。会の代表の近藤厚生・熱田リハビリテーション病院副院長は「日本でも葉酸が添加されているパンやシリアルがあるので利用してほしい」と呼びかける。

神奈川県立こども医療センターの石川浩史・産婦人科部長は「神経管閉鎖障害は、葉酸を摂取すれば必ず防げるわけではなく、摂取に関係なく発症する人もいる」と話す。同センターでは、過去の妊娠や出産などで不安を抱える人を対象に妊娠前外来を開設している。また、てんかんなどの持病のある人は必要な葉酸の量が異なる場合があるので、主治医に相談してほしいという。(南宏美)



(出典:朝日新聞、2017/09/23)

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