【子どもの誤飲を防ぐ 手が届く場所に小さな物を置かない】

幼い子どもが長い時間を過ごす家庭内は、思わぬ事故の発生場所になることがあります。「誤欽」もその一つで、成長に合わせた予防策が大切です。

手に届く物を手当たり次第に口に運ぶようになるのは、生後5カ月ごろから。でも、食べ物かどうかは、まだ判断できない。厚生労働省がまとめた全国8医療施設の小児科からの報告(2015年度)によると、生後0〜5カ月の誤飲は全体の1%。しかし、6〜11カ月には急増して27・3%にのばる。

誤飲の事故例で多い「たばこ」は、5カ月ごろから増える。はいはいを始めたら、床に落ちた小物やごみも要注意。1歳半ごろからは、足場を使ったり、容器のふたや包装を開けたりするため、誤欽の対象はさらに広がる。

子どもの事故防止に取り組む「京(みやこ)あんしんこども館」(京都市)の中辻浩美・看護師は「子どもの口に入る物を、手に届くところに置かないことが第一」と指摘する。口に入る大きさは、3歳児では直径4a以下が目安。高さ1b以下のところに小さな物は置かず、洗剤や医薬品の収納場所にカギをかけたり、リモコンやおもちゃの電池が外れないようにテープで固定したりする工夫も重要だ。

もし子どもが誤欽をしてしまっても、冷静に。以前は吐かせを」とが勧められていたが、中毒の情報を収集、分析する日本中毒情報センターの吉岡敏治・代表理事は「吐いた物が肺に入って肺炎になったり、窒息したりする危険がある。現在は勧められていない」という。特に、意識障害やけいれんがある▽食道の粘膜を痛める強い酸性・アルカリ性の製品▽肺に入りやすい灯油▽生後6カ月以下などの場合、吐かせることは厳禁。速やかに医療機関へ行こう。

一方、少量の誤欽で症状がなければ、家庭内で様子を見てよい場合もある。乾燥したたばこ、せっけんなどが一例。迷った場合は、同センターの「中毒110番」=イラスト参照=に相談を。吉岡さんは「相談や受診の際には、誤飲したものの容器や説明書を必ず用意しておいてほしい」と話す。(阿部彰芳)



(出典:朝日新聞、2017/09/16)

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