【電子母子手帳 紙の手帳を補完、情報入手に利点】

スマートフォンで妊婦健診の結果や子どもの成長などを記録できる「電子母子手帳」を導入する自治体が増えています。一体どんなものなのでしょうか。

電子母子手帳の多くはスマホやタプレットでアプリをダウンロードし、出産予定日や赤ちゃんの生年月日などを登録して使う。導入自治体では紙の母子手帳を配る際、QRコードを記したパンフレットで案内する。アプリの開発を手がけるエムティーアイ社(東京都)によると、全国約60自治体が導入しているという。

紙の母子手帳を補完するものだが、デジタルならではの便利さもある。予防接種の日程を手軽に組み立てられ、予定日が近づくと通知で知らせてくれる。子どもの成長を写真や動画で記録できる上、入力データは外部に保存されるので災害時やスマホの紛失時にも活用できる。

東京都葛飾区は今年1月、電子母子手帳の提供を始めた。防災・防犯や観光の情報を配居する「葛飾区総合アプリ」の機能の一つだ。2年前の調査で、区の広報誌の閲覧率が若い世代で低かったことから、情報を届ける手段としてスマホで使いやすいアプリを導入し、電子母子手帳の機能も盛り込んだ。

赤ちゃんの生年月日の登録で、月齢に応じた定期健診、年齢に合わせた保育園の入園や追加募集のお知らせなど稜々な子育て情報を受け取れる。区内の児童館、授乳ができる場所などの紹介は、英語や中国語にも対応する。福島啓介・情報政策課長は「操作性や機能を改善し、利用者を増やしていきたい」と話す。

神奈川県も昨秋から電子母子手帳アプリを採り入れ、導入した19市町が感染症の流行や子育てイベントなどを情報発信する。県の健康管理アプリ「マイME−BYOカルテ」と、予防接種や健診の記録をデータ連携できるのが特徴。ME−BYOカルテ側では処方された薬が記録でき、今春から薬局でもらえるQRコードで簡単に入力できるようになった。

市川秀樹・次世代社会システム担当課長は「自身や子どもの健康情報を蓄積していくことで、健康維持に取り組んでもらえれば」と話す。(川村剛志)



(出典:朝日新聞、2017/09/03)

戻る