【休み明けを元気に 夏の冒険や思い出、みんなで共有】

夏休みも残りわずか。規則正しい生活を取り戻そうと、大人は子どもについ厳しくなりがちです。ただ、子どもたちが元気に休み明けを迎えるためには、大人の声のかけ方こそ大切です。

日本学校心理学会理事長で、東京大学の石隈(いしくま)利紀教授(学校心理学)は、「旅行へ行ったり、遅く起きたりした日々が終わり、また学校へ行くのは嫌だなと思うのは、正常な反応」という。

「『いつまで寝ているの?』『宿題、終わってないよ!』と大人が言うのは、自分の不安を子どもにぶつけているのかもしれない」と石験さん。楽しい夏の思い出すら、つらい記憶になりかねない。

「夏休み明けは、真の体験を友だちとシェアする場と考えると、休み明けのハードルがぐっと下がります」と助言するのは、東京都立小児総合医療センターの副院長で、子ども家族支援部門の田中哲部長(児童精神科)。

休みの終盤は楽しかったことを思い出し、達成感を味わう時でもあるという。また、運動会や学芸会など、休み明けの行事の話題を通じ、学校へ行く楽しみを見つけるといい。

たとえ宿題が残っていても、「どうするの!」と相対すると、子どものやる気を損なわせる。「一緒にやる?」などと、同じ方向を向くことが大切だ。

生活習慣を取り戻すため、週末の朝に親子で散歩したり、一緒に朝食を作ったりすると、早起きのきっかけになる。

文部科学省の不登校生徒に関する追跡調査研究会の調査によると、小学1年〜中学3年で不登校になった子どもが休み始めた時期は7〜9月が最も多く、夏休み明けに多くなると考えられるという。br>
休みが明けても起きられず、吐き気や腹痛を訴えることもある。田中さんは「心が発するストレス反応が体に出るもので、決して仮病ではない。真剣に受け止め、子どもの体に触れて欲しい」という。背景にいじめや勉強への不安など、深刻な悩みを抱えていることもある。石隈さんは「子どもが『大丈夫』と答えても、2度、3度と声をかけ『気にしているよ』というメッセージを伝え続けて欲しい」と話す。(宮島祐美)



(出典:朝日新聞、2017/08/26)

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