【夏こそ甘酒 多彩な栄養含む米こうじ、「飲む点滴」】

甘酒といえば冬のイメージがありませんか。実は夏の季語。「飲む点滴」とも呼ばれ、ブームになっていますが、科学的にも「体にいい」のでしょうか。

甘酒には、米こうじで作ったものと、酒かすに砂糖を加えたものの2種類がある。昔から飲まれていたのはこうじの甘酒で、酒かす甘酒は、戦後にコメの代替品として広まったとも言われている。

新潟県南魚沼市の清酒メーカー八海醸造は、2009年から米こうじだけで作った甘酒を製品化している。ただ、倉橋敦・研究開発室長は「ブームになっているが、成分を詳しく調べた論文がほとんどなかった」と振り返る。昨年、新潟県農業総合研究所食品研究センターと共同で、同社の「麹(こうじ)だけでつくったあまさけ」に含まれる物質を解析した。整腸作用が期待できるオリゴ糖や疲労回復に効果があるビタミンB群、必頻アミノ酸9種類が含まれていた。抗酸化物賓として注目されるエルゴチオネインも検出された。現在、大学などと共同で、人での飲用効能を調べており「こうじ甘酒の正しい情報を発信していきたい」と話す。

公立碓氷靖院の上原由美・管理栄養士は東京農業大の樫村修生教授らと共同で、水分制限があり便秘に悩みがちな透析患者の便通が改善するか調べた。3カ月間、こうじ甘酒を毎日飲んでもらうと、下剤を服用していた9人のうち5人で不要になり、2人で減量したという。飲むヨーグルトに比べ、透析患者が制限する必要のあるリンやカリウムなどの含有量が低く、上原さんは「薬に頼らない食生活を提案していきたい」と話す。

発酵食を提供する「にっぼんのひとさら」の是友麻希さんは、こうじ甘酒に果物を入れてビタミンCを補ったり、料理で砂糖の代わりに使ったりすることを薦める。著書「酵素いきいき生甘酒」(主婦の友社)では、濃縮タイブのこうじ甘酒のつくり方を紹介。乾燥こうじ1とお湯2の割合で混ぜて炊飯器に入れ、乾いたふきんを乗せ、保温モードで60度を保 ち、4時間ほど発酵させれば完成だ。冷蔵・冷凍庫で保存し、雑菌が繁殖しないよう早めに使い切りたい。(水野梓)



(出典:朝日新聞、2017/06/24)

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