【親知らずの対処 かみ合わせが良ければ残す場合も】

歯の検査を受けたところ、下の左石の親知らずが斜めに生えていると指摘されました。痛みはないのでできれば抜きたくないのですが……。親知らずの対処法について、歯科医に聞いてみました。

親知らずとは、真ん中の歯から数えて8番目にある第3大臼歯のこと。一般的に17歳ごろから成人にかけて生えてくるが、先天的に生えてこない場合もある。生え方は様々で、@真っすぐ正常に生えているA傾いて歯ぐきから一部だけ出ているB歯ぐきの中に埋まっている、などの場合がある。

親知らずはどんなトラブルを招きやすいのか。東京医科歯科大の原田浩之教授(口腔外科)によると、歯が傾いて生えていると親知らずと歯ぐきの間に隙間ができるため、汚れがたまって歯ぐきの炎症が起きやすい。また、歯ブラシが届きにくいので虫歯もできやすい。歯のかみ合わせが悪くなることで、あごが痛くなる症状が出る場合もあるという。いずれかの症状が悪化するようならば、親知らずを抜く必要がある。

親知らずが上下真っすぐ生えてかみ合っていれば抜くことはないが、傾いている場合には、今は症状が無くてもいずれ痛みなどのトラブルになることが多いという。原田さんは「骨が軟らかい若いうちに抜いたほうがよい」と勧める。

歯が完全に出ていない場合は、局所麻酔をしてから歯ぐきを切り開き、歯の周囲の骨を削ってから取り出す。下の歯の近くには唇や舌の感覚をつかさどる神経が通っており、神経を傷つけると神経まひを起こすリスクもまれにある。断層撮影(CT)で歯と神経の位置を3次元で把握した上で手術をすを歯科医院も増えてきたという。

最近は歯の矯正の際に、歯並びを整えるために親知らずを抜くこともあるが、タキザワ歯科クリニック(東京都江東区)を開く医療法人社団明敬会理事長の滝沢聡明さんは、「親知らずを残しておけばほかの歯を失った際に代用できる場合もある。手術のリスクも考慮した上で、抜かない選択肢があることも知っておいて欲しい」と許す。(佐藤建仁)



(出典:朝日新聞、2017/06/17)

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