【熟い食べ物で鼻水 鼻や口を温め、刺激を減らす】

熱いラーメンやうどん、香辛料が利いた食べ物を食べたとき、鼻水が出て困ることがあります。出ないようにする手立てはあるのでしょうか。

熱い麺類を食べると、口から麺やスープが入るだけでなく、鼻からも湯気などが入り、鼻や口全体が温められる。温かい空気は冷たいものに触れると結露するように、湯気は鼻の奥にある鼻腔の冷たい粘膜に触れると、水滴になる。鼻の粘膜にある鼻水は水分で希釈される。熱いものを食べたときの鼻水が水っほいと感じるのは、そうしたメカニズムがはたらくためだ。

カレーうどんやトウガラシを利かせたパスタ、酢をつけたギョーザなど、香辛料を含んだ食べ物の場合は、別のメカニズムもはたらく。香辛料が鼻の粘膜や舌などにある、知覚神経を刺激すると、交感神経と副交感神経がどちらも活発になり、発汗につながるとともに、鼻の粘膜から鼻水が出る。熱くスパイシーなものは、両方のメカニズムがはたらくため、状態はひどくなる。

出ないようにできないか─。鼻水は正常な体のはたらきによって出ているので、無理に止めるのは適切ではない。どうしても止めたいときは、温かいものを食べる前に、あらかじめ鼻や口を温めておくことで軽減できる。たとえば、冬の寒い時期にはマスクをしたり、温かいおしぼりや蒸しタオルのようなものを顔にかけたりして、鼻や口が冷えないように するのが有効だ。温かいものや辛みなどの刺激が強すぎるものをさけるのも一つの手だ。日常的に辛いものを食べていれば、結果として体が慣れて、鼻水が出にくくなることもある。ただ、予防策として行うのはあまり適切ではない。慣れは食べ始める年齢や人種、食習慣などによって異なり、個人差が大きいためだ。

日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科の松根彰志教授は「冷たい空気を吸い込むとくしゃみがでたり、温かい浴室に入ると急に鼻の通りが良くなったりするなど、鼻の温度感知と鼻水などの症状の関連を探る研究が最近では進んでいる」と話している。(田中誠士)



(出典:朝日新聞、2017/06/10)

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