【蚊に刺されぬために 肌の露出控え、たまり水を捨てる】

蚊が飛び始める季節。刺された際のかゆみはもちろん、媒介する感染症も心配です。なるべく刺されないためには。

国内で確認されている蚊は100種類超。多いのは夜行性のアカイエカと、昼間に屋外で活動するヒトスジシマカで、都市部でみられる9割超はこの2種類だ。ヒトスジシマカは3年前に国内感染が広がったデング熱や、小頭症との関連が指摘されるジカ熱などのウイルスを媒介する。一方のアカイエカも、米国などで流行したウエストナイル熱への感染を担うことがわかっている。

蚊の主食は花の蜜や果物の汁などで、皿を吸うのはメスだけだ。吸った血液中の成分は、卵を作るための栄養分として利用する。触角などで呼気中の二酸化炭素の濃度、体温や汗に含まれる乳酸などの成分を察知して人に近づく。こうした特徴から、国立感染症研究所の沢辺京子・昆虫医科学部長は「体温が高めで、汗かきの人は刺されやすい」と指摘する。またヒトスジシマカは大人の腰より低い部分を狙う傾向があり、身長が低い子どもは刺されやすいという。

運動後や飲酒後も体温が上がり、吐く二酸化炭素の量が増えるので注意が必要だ。よくO型の人が刺されやすいと言われるが、沢辺さんは「血液型は関係ないでしょう。少なくとも明確な科学的根拠はありません」と語る。

刺される可能性を減らすには、薄めの色の長柚や長ズボンで肌の露出を控えるのが基本だ。虫よけ剤も有効成分の濃度が高く、長持ちするタイブが昨年から国内でも発売されている。

蚊の発生を防ぐのも重要だ。蚊は水辺に産卵するので、水がたまったバケツや植木鉢の水受けなどは発生源になる。

沢辺さんは「週に一度、不要な水を捨てることで発生を防げる」と話す。幼虫のボウフラは6〜8日間かけて成長し、さなぎを経て成虫になるが、その間に水を捨てれば蚊の発生を防げる。動かせない樹木の穴は覆いをするか土で埋める。昆虫成長阻害剤という成虫に育つのを妨げる薬剤を雨水ますにまいて対策する自治体もある。(川村剛志)



(出典:朝日新聞、2017/04/29)

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