【「スマホ老眼」を防ぐ 目を休め、筋肉の疲労回復を】

メールやネット検索などに便利なスマートフォン。ただ、長時間使うと目の焦点が合わなくなることがあります。そんな症状を「スマホ老眼」として、注意を呼びかける医師らに対策を聞きました。

「老眼」と言っても、中高年がなる老眼とは異なる。老眼は、ピント調節の役割を果たす水晶体が加齢によって硬くなることが原因だ。通常、水晶体は弾力性があり、厚さを変えることで遠近を調節しているが、硬くなると調節できない。

一方のスマホ老眼は、目の使いすぎによる疲労が原因だ。通常、水晶体の厚さは毛様体筋が緊張したり緩んだりすることで変わる。だがその筋肉が疲れると、遠近調節ができなくなってしまう。「クイトンズアイクリニック」(横浜市)院長の荒井宏幸医師は「全力で走った後に、足の筋肉が疲れてうまく歩けなくなるのと同じイメージ」という。そのため、目を休めれば回復するとされる。

参天製薬が「スマホ老眼を自覚する」と答えた10〜50代の男女500人を対象に昨年実施した調査では、スマホの平均利用時間は平日が3・4時間、休日が4時間に上った。使用習慣は「寝ころびながら」が84%、「電車の中で」が67%、「歩きながら」が52%だった。日常的にスマホが手放せない実態が浮かぶ。

荒井さんが勧める対策は「チラ見エクササイズ」。オフィスなどで仕事するとき、窓からようやく判別できる距離にある目印を決め、1時間に1〜2回、じつと見る。毛様体筋が緩み、休まる。

風呂に入ったとき、40度ほどのお湯で温めたタオルを目にあてるのも良い。毛様体筋の疲労が回復し、ドライアイの防止にも役立つという。

子どもにとっても、スマホの長時間使用は目に悪いという報告が出ている。昨年発表された韓国の小学生916人を対象にした研究では、ドライアイと診断された子どもの96・7%がスマホを使用し、平均使用時間はドライアイでない子の5倍にあたる約3時間だった。「最近はゲームや通信教育などで長時間スマホを使う子どもが増えている」と荒井さん。親も注意が必要だ。(小川裕介)



(出典:朝日新聞、2017/04/08)

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