【「季節性」のこり 深い呼吸を意識して血行改善】

花粉症のシーズンがピークを迎え、どうしたわけか、肩や背中のこりがひどくなっている人が増えているのではないで.しょうか。それはせきやくしゃみをするときに全身に力が入り、筋肉がこわばる「季節性のこり」かもしれません。

池袋大谷クリニックの大谷義夫医師(呼吸器内科)によると、せきやくしゃみをするときは、周りへの気遣いから前傾姿勢になり、全身に力を入れることにより、首や肩、背中がこるという。主に、背中に広がる僧帽筋の血行が悪くなるのが原因となる。

            前傾姿勢になると、肋骨を広げたり狭めたりして呼吸運動をする肋間(ろっかん)筋が使われない状態が続く。肺が大きく膨らみにくくなり、酸素の取り込み量が減っていくため、酸素不足による血行不良でこりがさらに悪化することもある。

「呼吸に関係する筋肉は、20代をピークに衰えます。自分で意識的に筋肉を鍛えて深い呼吸をマスターすることにより、こりだけでなく、こりから起こる頭痛、手足のしびれも改善されます」と大谷医師。改善策として「口すぼめ呼吸法」を勧める。@2秒かけて鼻から息を吸うA口をすぼめて6秒かけ口から息を細くはく。これを10セット繰り返す。

東京有明医療大学学長の本間生夫教授(呼吸生理学)が注目するのが、「博動呼吸」だ。呼吸は酸素を取り入れて二酸化炭素を排出する以外に、感情と深く結びついている。本間教授は「意識的にゆっくり、大きく呼吸することで、感情が落ち着き、ストレスが解消していき、リラックスできます」と話す。

また、花粉症や鼻アレルギーなどで鼻が詰まり口呼吸になることにより、口の中が乾燥して唾液による消化作用、殺菌作用が低下する。さらに、鼻腔で湿り気を帯びず、乾いた外気が口から肺に直接入ることにより、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる。

1分間に15回前後、一生には6億〜7億回も繰り返す呼吸。本間教授も大谷医師も「呼吸を意識して生活するだけで、日々の健康状態が飛躍的に改善されます」と話している。(石川雅彦)



(出典:朝日新聞、2017/04/01)

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