【音読 問違いは気にせず 楽しんで】

声に出して文章を読む「音読」。日ごろの生活の中で、意識をして声を出そうとしなければ、音読をする機会は少ないかもしれません。頭を使うので、脳も刺激されそうです。日報カルチャースクール(盛岡市)の音読教室に、行ってみました。

講師は「KOTOSE(ことせ)」(本社・盛岡市)の尾形さゆりlさん(48)。教材に配られたのは、11行の詩と、滑舌を鍛える早口言葉、当日の地元紙・岩手日報の記事だ。

10人裔の受講生が、「冬の木立」という題の詩を1行ずつ、あるいは、1音ずつ、.隣の人が読んだ次の行や音を順番に声に出して読んでいく。次に、五つの母音ごとに決まったポーズをとって、体を動かしながら読んだ。早口言葉は、言いにくい言葉を滑らかにしゃべるトレーニングだ。早く話そうとすると、一語ずつ発する度に、口の形が大きく変わるのを実感した。

最後の新聞記事は「国と地方の基礎的財政収支が、2020年度に8兆3千億円程度の赤字になるとの試算が示された」という内容。1文ずつ区切って、順番に読んだり、全員で読みながら「す」「ず」「か」「が」などの音が出てくる度に手をたたいたり。次第にリズムがとれてくる気がした。

1年ほど前から通う小地沢慶子(よしこ)さん(70)は、「死ぬまで元気でいたいから、音読を始めた。頭をすごく使う。脳の活性化になっていると思う。おなかから声を出すので背筋が伸びて姿勢も良くなる」と、週1回の教室を楽しんでいる。

経験してみると、意外と難しい文章を読んでいることがわかる。「同じ文章を繰り返し読まない方がいい。上手に読むことを目指すのではなく、ちょっと難しい新しい文章を読むことが大事」と尾形さん。

尾形さんとともに「ことせ」の共同代表を務める佐藤くみこさん(47)は、「間違えても笑い飛ばして。リズムをとった り、体を動かしたりして、はちゃめちゃに。楽しみながらしてみて」と話している。(神田明美)



(出典:朝日新聞、2017/02/11)

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