【シニアの肌ケア 保湿を入念に、冬の乾燥を防ぐ】

冬本番。乾燥による肌のカサカサ、かゆみは、命を脅かすぼどでないとはいえ、年々重くなる症状に悩む人も多そうです。肌トラブルを減らし、この季節を乗り切る策を専門家に聞きました。

「この時期、受診者の3〜4人に1人が年配でかゆみに悩む方です」。国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)の玉木毅・皮膚科診療科長は話す。

健康な皮膚の場合、体表面にある「皮脂膜」と「角質」が潤いを十分に保って外部からの刺激を防いでいる。

一番外側の皮脂膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と汗が混ざった膜だ。空気が乾燥する冬は皮脂膜が壊れた状態になりやすい。このため角賓が十分な水分を保てない「カサカサ肌」となり、外からの刺激に反応し、かゆみも感じる。

乾燥がさらに進むと、角質中の水分・脂質が失われ、肌は「粉が吹いた」状態に。これが「乾皮症」だ。

かゆみを我慢できずにかき壊すと、角質が傷つき、下にある細胞に炎症が起きて「皮脂欠乏性湿疹」となる。

皮脂腺の活動は20代以降は弱まり、シニアの肌は皮脂膜が若い頃に比べて薄くなっている。ここに冬の乾燥が拍車をかけて、カサカサ肌+乾皮症+皮脂欠乏性湿疹という連鎖をたどりやすいという。

肌トラブルにどう対応すればいいか。「乾皮症までは、市販の保湿クリームや塗り薬である程度対応できます」と玉木さん。今の時期、ドラッグストアの肌ケアコーナーは、カサカサ・かゆみに対応する保湿剤が充実。成分では、ワセリンは表皮から水分の蒸散を抑える働き、尿素やヘパリン類似物質は、乱れた角層を整えてくれる働きがあるという。湿疹がひどくなったり、肌にかゆみが強く出たりすれば受診が必要になる。

毎日のスキンケアも大切だ。現代の住宅は気密性が高く、電気を使う暖房が主流のため、室内で加湿器が必要だ。入浴は、熱すぎない湯温で、皮脂まで流してしまう洗いすぎ・こすりすぎに注意する。せっけんを泡立て、泡を乗せて汚れを落とす感覚でよいそうだ。入浴後はすぐに保湿も心がけたい。(熊井洋美)



(出典:朝日新聞、2017/01/28)

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