【フォト俳句 外へ飛び出し東も休も鍛える】

写真と俳句を組み合わせた「フォト俳句」が人気です。スマホやデジカメが普及し、手軽になりました。

集一人着で著書『中谷吉隆のフォトハイ旬!読本』がある写真家の中谷吉隆さん(79)は元気はつらつだ。「家にこもらず外へと飛び出し、頭と体のどちらも鍛えられる。健康維持にもってこい」

実践講座で指導する。初心者に教えるのは「ねらいを定めた作品づくり」だ。漫然と撮影するのではなく、しつかりと目的をもつ。出発前にあらかじめ季語を考え、目指す作品を想定するのがコツだそうだ。できばえに満足できれば、長続きにもなる。

「フォト俳句は、写真と俳句の『足し算』ではなく『かけ算』です」と中谷さん。俳句を説明する写真ではダメだし、写真を説明する俳句でもダメ。互いの「相乗効果」を意識することで、魅力的な作品が生まれるという。「仲間と一緒に楽しむのもよいでしよう。自分にはない視点に気づき、刺激されます」

中谷さんが選者を務める全日本写真連盟の月刊会報誌「フォトアサヒ」。昨年11月号で優秀賞を得た東京の福岡育代さん(54)は「フォト俳句を始めたことで、音楽や絵画の知識が欠かせないと痛感し、演奏会や展覧会へ積極的に出かけるようになった」と話す。

広島の平元一幸さん(79)も「写真は足でかせぎます」と力強く話す。高野山を歩き回って撮影した1枚で、9月号の優秀賞を得た。足腰が丈夫で、今も農作業を続け、片足立ちで靴下をはけるのが自慢だ。

福岡の整形外科医、諸岡正明さん(80)はフォト俳句の健康効果に注目している。自身も熱心に取り組み、クリニック内には作品を展示するギャラリーも。「整形外科の疾患では、日々のリハビリ運動が大切。フォト俳句が意欲づけになる」。短時間でも欠かさず運動をするきっかけになるそうだ。

いまも毎日、診察をする諸岡さん白身にとっても、フォト俳句は健康の源。患者さんが作品を持ち寄ると、つい話が盛り上がるそうだ。(伊藤隆太郎)



(出典:朝日新聞、2017/01/14)

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