【妊娠前の準備 若いうちから健康管理を】

ストレスが多い長時間労働で、つい食べすぎて肥満になったり、逆に無理なダイエットをしたり……という人は生活を見直してみませんか。先のことは考えていないという人も子どもが欲しくなる時がくるかもしれません。

米疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)などが、あいつぎ「プレコンセプションケア」を提唱している。直訳すると、「妊娠前管理」。若い世代の健康増進をはかることで、より健全な妊娠や出産のチャンスを増やして、次世代の子どもたちの健康をめざす。

先進国では妊婦や乳児の死亡率は低下したのに、低体重児の出産や妊婦の高血圧や糖尿病などの合併症に伴う胎児や乳児死亡は減っていないという。高齢出産も増えている。妊娠前の生活習慣病や肥満、やせ、喫煙などのリスク因子が妊娠や出産に影響を与える。リスクを下げるには、妊娠前からの健康管理が重要だ。

「妊娠だけにこだわるわけではない。自分のライフプランを考え、若いうちから健康を守る意識を高くして、生活の質をあげることが目標」と国立成育医療研究センターの荒田尚子医長(母性内科)は話す。同センターは国内初のプレコンセプションケアセンターを2015年に開設した。

同センターのチェックシートは、自分の健康状態を振り返るのに役立つ。若い女性だけでなく、すべての年代の男女に共通する項目も多い。

肥満は生活習慣病のリスクを高めるので、バランスのよい食事や運動でほどよい体重を保つことが大切だ。一方、やせすぎも要注意。厚生労働省の国民健康・栄養調査(2015年)によると、20代の女性の22・3%、30代女性の15・5%がやせ形だ。母親の栄養状態が悪いと低体重児の出産につながったり、子どもの健康に影響が出たりするおそれがある。

慢性的な病気や、子どもの時にかかった重い病気のために妊娠をあきらめる人がいるが、適切な治療を続けることで妊娠・出産が可能になることも少なくない。医師に相談しよう。(瀬川茂子)



(出典:朝日新聞、2017/01/07)

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