【ノロウイルス対策 調理や吐いた物の処理にも注意を】

突然、下痢や嘔吐に襲われる感染性胃腸炎。代表的なノロウイルス感染は毎年冬にピークを迎えます。予防のひけつを 専門家に聞きました。

ノロウイルスは例年10月から感染が増え始め、翌年1月にかけてピークを迎える。国立感染症研究所(感染研)によると、感染から1〜2日で発症するが、感染後も発症せず気づかない人もいる。便や嘔吐物で大量に排出され、症状がおさまった後も約3〜7日間は便にウイルスが含まれる恐れがある。

感染予防には「主な三つの通り道を断つことが大切」と、元感染研室長で北里大の片山和彦教授(ウイルス感染制御学)は話す。それは。@ウイルスがついた手で調理した食品を別の人が食べるA感染者の嘔吐物や便を片付けたとき手に つき、ドアノブなどを通して広がるBウイルスが濃縮されたカキなどの二枚貝を生で食べる、の三つだ。

通り道を断つには、まず手洗いだ。調理・食事の前や、トイレで用を足した後 はせっけんで手洗いし、清潔なタオルや紙タオルで拭く。二枚貝は十分に火を通す。ウイルスは、中心部が85〜90度で1分半以上加熱すれば死ぬとされている。

吐いた物や下痢便を処理するときは、使い捨ての手袋とマスクをすると良い。 空のペットボトル(500_リッ†ル)を用意し、キャップ約2杯分の次亜塩素酸ナトリウムが入った漂白剤をボトル本体に注ぎ、水で薄めて消毒液を作る。処 理物を古新聞紙で覆って水分を吸わせ、飛び散らないようにポリ袋に入れる。拭き取った床を再び新聞紙で覆い、紙の上から消毒液をかけて約15分間放置。新聞紙は袋に入れ、雑巾で床を拭く。ポリ袋は密閉して捨てれば完了だ。

一昨年、新しい遺伝子型のウイルスが初めて川崎市で検出された。茨城県での 調査では、昨季は新型の検出が従来型と同程度だった。感染研・感染症疫学センターの木村博一室長は「従来型ウイルスに免疫がある人も感染する恐れがあり、注意が必要だ。嘔吐や下痢の症状が出たら早めに医療機関を受診してほしい」と話す。(小川裕介)


(出典:朝日新聞、2016/11/19)

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