【夏枕の選び方 適度な高さ、寝返りしやすさ大事】

人生の3分の1の時間を費やすとも言われる睡眠。快眠には自分の体に合った寝具が重要です。枕の選び方を聞きました。

枕外来を開設する16号整形外科(相模原市)には、肩こりや首の痛み、手のしびれ、頭痛、不眠の症状に悩む患者が多くやって来るという。

山田朱織(しゅおり)院長らが2008〜13年に同院を受診した410人(14〜93歳)を対象に、自分に合った枕を使用する前と後で症状がどのように変わるかを調べたところ、7割強の人で肩こりや首の痛み、不眠の症状が改善した。15年の日本脊椎脊髄病学会でも発表された。

山田さんは良い枕の条件として、自分の体に合った高さ、適度な硬さ」平らであることの三つを挙げる。「枕が高すぎたり低すぎたりすると神経が圧迫される。仰向けに寝た時、首の骨はまっすぐに伸び、床に対して15度前後になっていることが重要」と話す。

また、人間はひと晩で20〜30回も寝返りをしているという。血液やリンパ液の循環、体温調節などの役割があるため、「無意識にスムーズに寝返りができることも正しい枕の条件です」と山田さん。診療や研究をもとに開発したオーダーメイド枕を販売する一方、玄関マットやタオルケット、バスタオルを使った簡易枕の作り方も「山田朱織枕研究所」のホームページ(https://makura.co.jp/)で紹介している。

寝具メーカーの東京西川(東京都中央区)も良い枕の条件として、後頭部や首をしっかりと支えられること、仰向け寝と横向き寝の両方に対応できることなどを挙げる。このため同社の枕は中央部がくぼみ、両端がやや高くなっているのが特徴だ。担当者は「自然に立った時の姿勢を維持できることも重要」と話す。

山田さんと東京西川では、最適とする枕の条件は一部異なるが、いずれも頭や首の安定、定期的なお手入れを重視している。東京西川によると、目安となる耐用年数はそば殻が1〜2年、ウレタンフォームやわた、フェザーが2〜3年、パイプが4〜5年という。(南宏美)



(出典:朝日新聞、2016/09/03)

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