【夏の貧血 「夏パテ」の陰にびそむ鉄分不足】

間もなく8月も終わります。疲れや、だるさが抜けずにいる人も少なくないでしょう。一見、夏パテと思える症状の陰に貧血が障れていることもあり、注意が.必要です。

「鉄欠乏性貧血が夏になって出てくることもあります」と話すのは、東京女子医大の志関雅幸准教授(血液内科学)。鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足し、ヘモグロビンがうまくつくれなくなる。体に十分な酸素を運べなくなり、息切れや立ちくらみなど様々な症状が出る。疲れがとれないというだけでなく、微熱が続いたり、爪が薄くなって割れたりするなどの症状があれば、単なる夏パテと油断せず、受診したほうがいい。

夏は、暑い屋外と冷房の利いた室内の温度差で自律神経が乱れ、胃腸の不調を招いて食欲が落ちることがある。鉄分が不足して貧血にならないようにするためにも、志関さんは「夏こそ、しつかり食べてほしい」と話す。

鉄分は、肉や魚、卵、乳製品などの動物性たんばく質、豆類やホウレンソウ、小松菜などの野菜、海藻などに多く含まれている。毎日の食事のなかでバランスよくとり入れることが大切という。

ただ、食欲むなく、疲れやだるさのために料理する気力がわかない場合もある。手間をあまりかけず、うまく鉄分をとる工夫を、管理栄養士で医学博士の本多京子さんに教えてもらった。

本多さんは「鉄分を一気にとろうとせず、こまめに補給していく意識を持って」と助言する。例えば、鉄分が多く含まれるあさりや干しエビのつくだ煮などを食卓に一品添える。枝豆もおすすめで、飽きたら、さやから取り出してすし酢につけ、トマトとあわせてマリネ風にするのもいいという。

青魚の缶詰を使う手もある。水を入れたペットボトルの中にかつお節、煮干し、昆布を入れてだしをつくっておく。魚の缶詰にだしをあわせてみそをとき、ゴマやシソ、ネギなどの薬味を加えると、火を一切使わずに鉄分が豊富な冷や汁ができる。そうめんのつけ汁にしてもおいしいという。(武田耕太)



(出典:朝日新聞、2016/08/27)

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