【髪の老化防止 こまめな頭皮マッサージがお勧め】

生え際に白髪が目立ち始め、「髪も年を取るのだ」と実感します。豊かで健康な髪を維持するには、どうしたらいいのでしょうか。

一般的に、女性の髪はいつごろから「老いる」のか。花王ヘアケア研究所(東京都)が10代〜70代の女性132人を対象にした調査によ満と、毛髪は30代後半をピークに細くなり、30代ごろから本数が徐々に減っていく。ハリ・コシは40歳ごろからなくなる傾向にある。

東京医科歯科大学の西村栄美教授(幹細胞医学・皮膚科学)らの研究によると、髪の本数の減少は、髪の毛穴の奥にある特殊なコラーゲンが失われて、毛を作りだす細胞が働かなくなるためだという。

「髪が細く少なくなると、1本1本の根元が立ち上がりにくい。毛髪同士の支え合いも弱く分け目が目立ちます」。髪の研究歴の長い花王の杉野久美・主任研究員によると、スタイリングの工夫は、洗髪後、丁寧に徹底的に乾かすことだ。「髪の毛は、乾いたとき、つまり水の出入りがなくなったときに形が決まる。根元から立ち上がるように乾かすと、ボリュームが保てるうえに崩れにくいです」

予防策として、花王では頭皮マッサージを勧めている。頭皮を「ほぐす、押す、さする、引き上げる、軽くたたく」の流れで朝と入浴時、寝る前の1日3回のマッサージを6カ月間行った結果、頭皮の血流量・髪のハリ・コシ・本数が増えたといい、何もしない人との比較で違いが認められたという。

白髪に対してはどうか。ひとたびはっきり出現したものは、ヘアカラーやヘアマニキュアなどを使う「対症療法」しかないようだ。毛包の老化のメカニズムは、西村教授らが解明中だ。「現段階では、科学的根拠をもって『これがよい悪い』といえるデータが少ない。ただ、たばこが毛包に悪く、白髪や薄毛になりやすいことは、実験で明らかです」。

適度の睡眠、栄養が整った食事、ストレスをためない─。いわゆる健康寿命をのばすことにつながる生活習慣が、髪のアンチエイジングヘの近道らしい。地道に実践あるのみだ。(熊井洋美)



(出典:朝日新聞、2016/06/11)

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