【ジワジワ伸ばし、筋力の衰え防ぐ 静的ストレッチ】

春本番。こり固まった体を動かしたくなります。中高年、特に普段あまり運動をしていない人は、より安全な「静的ストレッチ」から始めるといいそうです。

順天堂大大学院スポーツ医学教授の桜庭景植(けいしょく)医師(整形外科)によると、ストレッチは正式にはストレッチングといい、「筋肉を伸長させること」を意味する。筋肉に必要な、しなやかに伸び縮みできる「いい弾力体」をつくるのが目的。反動をつけて行うのが「動的ストレッチ」で、ジワジワ伸ばすのが「静的ストレッチ」だ。

代表的なのは太ももの前後や肩周りなどのストレッチ。伸ばしたい筋肉をきちんと伸ばせているか、意誅して行うのが重要だ。行うタイミングは、ラジオ体操など少し体を動かしてから。寝起きなど 「筋肉が固まっている状態」で無理に伸ばそうとすると、傷めやすい。食後も、最低30分は避けたほうがいいそうだ。

「つらいのはダメ。ストレッチですっきり、良い気分になることが大切。長続きにもっながります」。風呂上がりの後は、リラックス効果も得られやすい。

楼庭さんによると、25歳の筋肉の状態を100%とすると、60代は60〜70%。「畳も筋力も、柔軟性も若いときより落ちている。でも、続けることで、筋力の衰えを抑制し、良い機能を維持できることが期待できる」。ストレッチは1回10〜30秒。1日30分程度、週2う3日を目指してほしいという。

東海大医学部客員准教授で、健康運動指導士の黒田恵美子さんは、高齢者のウオーキング教室で「朝歩いた後は眠くて家事ができない」「次の日、足が重くてだるい」という声をよく聞く。だから、足の疲労回復につながると、歩いた後に太ももやふくらはぎのストレッチを勧めている。「精気持ちいい」ぐらいの加減がちょうどよく、「痛い!」は無理をしているのでダメだという。

朝ドラを見ながら肩周り、買い物から帰ったら太ももの前後など、生活の中に取り入れてもいい。「洗濯物を干すときに肩が楽になったなど、生活動作でも効果を実感できますよ」(寺崎省子)



(出典:朝日新聞、2016/04/23)

戻る