【学校生活の変化にも注意を 春の熱中症】

熱中症と聞くと真夏の炎天下に起きるという先入観がありませんか。実は、寒暖の差が激しい呑も要注意の季節です。季節の変わり目に対策を始めましょう。

「猛暑に慣れた真夏の35度より、気温が急激に上がった5月の25度の方が体にはこたえるんです」と兵庫医科大の服部益治教授(小児科学)はいう。ふだん、人間の体は体温が35〜40度の間に収まるよう調整している。だが、急に気温が大きく変わるとすぐに対応できない。

今春の平均気温は平年より高めになる確率が高いと予想されている。5月に30度以上の真夏日も珍しくない。季節の変わり目は寒暖の繰り返しも激しい。

学校の変わり目も熱中症の落とし穴がある。中高の1年生が1学期にクラブ活動などで熱中症を起こすことがよくあるという。体力の大きく違う3年生といっしょに同じ練習をするのも一因だ。

対策は、まず、天気予報に気をつけよう。気温だけでなく湿度も重要だ。湿度が高いと脱水状態になる危険が高い。

「夏日」「真夏日」「蒸し暑い日」といった予報が出たら、「春ではなく夏だと思って過ごすのがコツ」と服部さんは勧める。夏のような脱ぎやすい服装にする。また、お盆の季節に外を何時聞も歩くようなことをしないのと同じで、ゴールデンウィーク中なども気温が上がりそうなら無理な計画は立てない。

こまめな水分補給も心がける。水だけ取ると体液の塩分濃度が薄まり、塩分濃度を上げるため余計に汗をかく悪循環に陥りやすい。塩気のものを一緒に取るといい。塩分や糖分の濃度を体液に合わせてある経口補水液も有効だ。

「暮らしの保健室」(東京都新宿区)の秋山正子室長は「お酒は脱水を助長するのでかえってよくない」という。

もしも、熱中症で倒れた人がいたら、救急車が来るまでに体温を下げる工夫をする。服をゆるめ、首の両脇やわきの下などをぬれタオルなどで冷やすと体温を下げやすい。太い血管が体の表面近くを通っている場所だからだ。「保冷剤をハンカチでくるんで当てるのもいい」と秋山さんは勧める。(鍛治信太郎)



(出典:朝日新聞、2016/04/02)

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