【魚の骨、刺さりにくい食べ方は ひれの付け根に注意】

季節ごとに旬の味が楽しめ、栄養価も高い魚料理。でも、食べるときに骨が面倒で、敬遠しがちになっていませんか。骨が刺さることなく食べるためのコツを専門家に聞きました。

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魚の骨ば種類によって様々だ。マイワシやサンマは細い骨が密にある一方、タイやスズキなどは太く固く鋭い。料理研究家の馬場香織さんは「魚の種類によってどこに骨があるか、場所をおさえて食べていくのがコツ」と話す。

馬場さんは東京・築地の日本おさかなマイスター協会が認定する「おさかなマイスター」の一人。魚の食べ方を子どもらに教えている。焼きたてのアジで実演してもらった。

初めが肝心。身の真ん中あたりに背骨に沿って頭から尾の方へ箸を入れ、背骨が見えるように身を開く。背側と腹側の身を離すことで、背骨や肋骨を確認しながら身を食べやすくなる。

注意したいのが、背びれやしりびれの付け根にあるひれを支える骨だ。アジだと短くとがった小骨が「くし」のように並び、身に食い込んでいる。「気づかずに食べるとのみ込んでしまいやすい」と馬場さん。また、前半分の背骨からは、身の内側に向けて細い骨も突き出ている。表側の身を食べ終えたら、背骨を外し、反対側の身を堪能しよう。「塩焼きはおいしい上に簡単。魚を食べないのはもったいない」と属場さん。

イワシは骨ごとフードプロセッサーでつぶし、つくねにしてもおいしい。タチウオは背びれの付け根の骨が鋭いので、あらかじめ取り除くといった工夫も大切という。買う際に切り身にしてむらうのもお勧めだ。

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もし、のどに骨が刺さったらどうしたらいいか。「ご飯のまるのみは勧められない。骨がさらに深く刺さる危険がある」と日本赤十字社和歌山医療センターの竹林慎治・耳鼻咽喉科部副部長は警鐘を鳴らす。自然に取れることもあるので、水などを 飲みながら様子を見る。痛みが続けば受診を勧める。つばを飲み込めないぐらい痛ければすぐに受診した方がいいという。

イワシなどの小骨は口の奥の軟らかい部分に、タイやブリの太い骨は食道の入り口付近に刺さりやすい。口の中なら光を当てて見つけられるが、さらに奥になるとCT検査や内視鏡が必要になるという。

骨がのどや食道の膜を貫通して入り込むと、かえって痛みが引き、しばらく自覚がなくなるケースもあるという。骨が鋭いと血管を傷つける可能性があり、「治療ではどの魚の骨かが重要な情報。骨が刺さったら記録しておいてほしい」と話す。

竹林さんはゆっくり食べることを勧める。食べ物は舌の働きでのどに送り込まれ、食道の入り口が広がる。早食いだとタイミングがずれて、食道の入り口が広がらずに骨がひっかかりやすくなる恐れがあるという。(阿部彰芳)

「インフォメーション」

魚の油に多いエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は、炎症を抑え、心臓や血管を守る働きがあるとされる。ただ、国内では魚離れが進んでいる。厚生労働省の調査によると、2013年の1日あたりの魚介類の平均摂取量は72・8cで、10年前の8割強にとどまるノ。特に40代で目立ち、30c以上減っている。


(出典:朝日新聞、2016/03/12)

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