【いつでも利用できる24時間ジム 生活型に合わせて活用】

24時間、年中無休のスポーツジムが増えています。仕事後にも通えて体を動かす機会を増やせそうですが、夜間の運動は健康にどんな影響があるのでしょうか? 気になります。

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午後9時半、業界大手のティップネスが運営する「ファストジム24」の方南町店(東京都杉並区)に体験入店した。地下鉄の駅から徒歩1分。こぢんまりした約70坪の空間にランニングや筋力アップ用のマシンが約20台並ぶ。1時間ほど利用して、さっと帰っていく人が多く、人は途切れなかった。記者は腰痛予防にと腹筋などを鍛えるマシンで気持ち良く汗をかき、午前0時ごろに終了。スーパーで買い物をして、すし屋で晩飯を食べて帰宅した。

24時間ジムは、現代人の生活リズムに合致して右肩上がりで増えている。米国のエニタイムフィットネスが2010年5月に東京・調布に出店し、すでに100店舗を超えた。2020年までに500店舗を目指している。ティップネスは14年3月に参入。40店舗の出店が決まっており、時間の都合でジムに通えなかった人の受け皿になっている。利用者は20〜40代の男性が多く、女性は2〜3割。仲間と一緒に楽しく過ごすより、目的に合わせてストイックに運動する人が多いという。

いつでも利用できるのは魅力だが、体内時計と健康の関係に詳しい早大の柴田重信数授(薬学博士)によると、運動するのに効果的な時間には注意が必要だという。

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マウス実験から、運動の種類により、効率が上がる時間帯が違うことが分かってきた。体内時計が朝6時半ごろに起床する朝型生活モデルの場合、午前中は他の時間帯より筋力アップや骨を丈夫にするトレーニングで効果が表れやすい。一方、夕方は自己記録に挑戦したり、ジョギングなどで脂肪燃焼をさせたりするのに効果的だという。

柴田教授は「夜間の運動は、体内時計の夜型化を助長します」。体内時計は24時間ちょうどではなく、数十分長いという。朝に光を浴びて食事や運動をすることで、時計の針が早まり24時間のリズムを維持している。夜間に光を浴びたり運動したりすると、時計の針が遅れる。仕事や授業など生活の開始時間と体内時計のずれは「社会的時差ボケ」と呼ばれ、肥満や成績低下との関連が指摘されている。

もっとも、「夜型の生活が許される人は、そのままでも良いでしょう」。例えば体内時計がずれ、夜中の2時半ごろに寝て朝9時半ごろに起きる夜型モデルになっていても、生活と一致していれば問題ない。運動に効果的な時間帯も、ずれていると考えられるからだ。

白分の体内時計のリズムで、いつでも利用できるのが24時間ジムの利点。生活習慣や目的に合わせて効果的に活用したい。(増田創至)

「インフォメーション」

24時間型のスポーツジムは、従来型より低価格なのも利用しやすい。白宅や職場の近くにあれば、三日坊主の防止にもつながりそうだ。新店舗が次々とオープンしているので、エニタイムフィットネス(http://www.anytimefitness.co.jp/)、ファストジム24(http://fastgym24.jo/)などのホームページで確認しよう。



(出典:朝日新聞、2016/02/27)

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