【入浴剤、上手に使ってお風呂を楽しく ぬるめの湯で疲労回復】

立春を迎えたとはいえ、まだまだ湯船が恋しい季節です。入浴剤を入れて、ひと昧違ったお風呂を楽しんでみませんか。様々な効果が実証されている入浴剤もあるようです。

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売り場には、さまざまな商品が並び、選ぶのに迷うことも少なくない。各メーカーによると、ストパーなどで販売される主な入浴剤の年間売り上げは4UO億円程度とみられる。

約50社が加盟する日本浴用剤工業会は「入浴剤は温浴効果を高めるもの。効果については、メーカトなどが科学的な検証を重ねてきた」と説明する。商品の種類や配合成分によって、期待できる効果は異なるという。

販売シェアが高い種類は、泡を発生させる「炭酸ガス系」。錠剤や粒状タイプの入浴剤で、疲労回復などが期待できる。花王によると、炭酸ガスには血管の拡張作用があり、濃度が高いほど血流量を増加させる。錠剤が完全に溶けた直後が濃度が最も高い状態で、高濃度を維持できる2時間以内の入浴がより効果的という。

粉末や顆粒(かりゅう)のタイプが多い「無機塩類系」は、家庭用として歴史が古く、多くの人になじ みがある。バスクリンによると、成分が皮膚のたんばく質と結合してベールをつくり、入浴後の保温効果を高める。

保湿成分を皮膚に吸着・浸透させる「スキンケア系」も人気は高い。そのぼか、チンピなど生薬を配合する「薬用植物系」や、「清涼系」などもある。

温泉名を冠した入浴剤はどのようにしてつくられているのか。バスクリンでは、各温泉に多く含まれる成分を同じような比率で配合し、「本物」に近づけている。各温泉のイメージに合う香りや色をつくりあげているといい、同社担当者は「温泉に行ったような気分を味わってほしい」と話す。

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入浴の効果を得るにもコツがある。「たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法」の著者、早坂信哉・東京都市大教授によると、40度までは副交感神経が優位になるため、リラックスして疲れをとりたい人には、ぬるめの湯船がおすすめ。42度以上では交感神経の働きで興奮状態になり、血圧も上がってしまう。一方、炭酸ガス系の入浴剤を入れると、個人差はあるが、実際は38度でも40度ほどに感じるという。

商品を選ぶ際の注意点もある。市販の入浴剤のうち、医薬品医療機器法の規制を受けているのは、医薬部外品と化粧品に属する商品。医薬部外品は安全性や有効性について国などの承認を受けている。早坂さんは「これら以外にも様々な入浴剤があり、成分を気にした方がいい場合もある」と指摘する。

また、乳児への使用は一般的に生後90日を過ぎてからといわれる。早坂さんは「お風呂を楽しむためのツールとして、入浴剤を上手に活用してほしい」と話している。(田内康介)

「インフォメーション」

業界団体「日本浴用剤工業会」のホームページ(http://www.Jbia.org/)では、入浴剤の歴史や成分の兢明、安心して使う方法などを紹介している。冬の浴室の注意点や入浴手順などについて、東京ガスのホームページ(http://home.yokyo-gas.co.jp/furo/index.html)の「お風呂のはなし」で分かりやすく説明している。



(出典:朝日新聞、2016/02/13)

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