【びざの痛み、正しい歩き方で予防 姿勢を意識、筋肉強化も】

77歳になる母親が、朝夕の冷え込みが厳しくなるにつれて、ひざの痛みがひどくなってきたと嘆いています。同じ痛みに困っている高齢の母親がいる友人に相談すると、「最近では痛みが出るまえに予防するのが主流よ」と教えてくれました。どうすればいいでしょうか。

   □  □

「ひざの駆け込み寺」として全国から患者がやってくる関町病院(東京都練馬区)の整形外科医、丸山公(こう)院長(62)は「年だからある程度の痛みはしょうがない」という考え方がいちばん問題だと指摘する。

丸山さんによると、基本的にひざの痛みは軟骨の摩耗や消失、それによる骨同士のこすれ合いや変形で起こり、ひどくなると「変形性ひざ関節症」につながる。その原因となるのは、@加齢A運動不足B過度な運動C肥満E姿勢─などだ。

「だれでも、いつでも、簡単にできる」と薦めるのが歩き方での予防だ。正しい歩き方を習慣づけるだけで痛みを防げる。 大事なのは足を前に振り出したときに、ひざが伸びていること。ひざを曲げたまま歩くと一定の部分だけに力が加わり、ひざの皿(膝蓋骨)に影響が出てくる。そして、おしりにある筋肉の「大殿筋」を鍛えるため、かかとから着地し、つま先でしっかりと蹴り出す。さらに、太ももの内側の筋肉「内転筋」を強化するために、足の裏の内側に体重がかかるように歩くといいという。

丸山さんは「私も足の裏の内側の線、ひざの内側を意識し、腹筋を引き上げるようにして歩いています」と話す。

   □  □

ひざの故障がすぐさま選手生命に直結するトップアスリートたちは、準備体操、筋トレ、十分な休息などは当然として、最近は練習前後に取るサプリメントに気を使っている。

2015年度、関東大学サッカーリーグ戦で3位という好成績を残した慶応大学サッカー部では、ゼライス中央研究所(宮城県多賀城市)と協力してコラーゲンのサプリメントとひざの痛みについて研究した。15年5月から3カ月間、ゼライスが新技術を使って腸からの吸収性を高めた「トリペプチド」というコラーゲンを、ひざに問題を抱える選手やスタッフ15人に摂取してもらった。その結果、約9割が「ひざが軽快になった」と回答したという。

須田芳正監督(48)は、「軟骨がダメージを受けるまえに、軟骨を丈夫にしておこうという考え方から、いまではサプリメントでコラーゲンを取る選手も増えてる」と話している。

厚生労働省の調べでは、国内に自覚症状がある人で約1千万人、潜在的な患者数は約3千万人と推定されている。

丸山さんは「痛みが出てからの治療より、出る前に予防のほうが、時間も労力もお金もかかりません。いかに早い段階で意識するかの問題です」と語る。(石川雅彦)

「インフォメーション」

関節の痛みや治療法については、京セラメディカルが提供している「関節が痛い.com」(http://www.kansetsu-itai.com/index.html)が詳しい。全国の病院検索も充実している。ひざの痛みの全てが分かる総合情報サイト(http://tiryo.net/index.html)には、患者の体験談や栄養についての情報を調べることができる。



(出典:朝日新聞、2016/02/06)

戻る