【年末年始の病気・事故に備える 当番医、事前に把握を】

忘年会や仕事納め、旅行・帰省、そして正月と慌ただしくなる年末年始。流行の病気や飲食物による事故も増え、救急車の出動も年間で多い時期です。大みそかや正月三が日前後は医療機関の大半が休みになり、事前に当番医などを把握しておくことも重要なようです。

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東京消防庁によると、2014年の出動件数は約75万8千件で、月別では12月が約7万4千件と最も多く、次いで1月の約6万7千件とこの2カ月は夏季より多い。主な要因は、冬季に流行する風邪やインフルエンザなどの病気▽忘年会や新年会などでの急性アルコール中毒▽餅がのどに詰まる窒息事故だ。

同年に風邪やインフルで救急搬送された患者は、12月が最多の1014人。年間の約4分の1を占める。大半は軽症だが、乳幼児や高齢者は重症化しやすいため注意が必要だ。

急性アルコール中毒は12月に集中する。年代別では20代が突出し、14年に同症で搬送された約1万4千人のうち、4割超の6138人が20代だ。同庁防災安全課は「酔った人を一人にせず、周囲の人が付き添うことも 事故防止に重要」と指摘する。

餅の事故は65歳以上の高齢者が危ない。同庁管内で過去5年間に搬送された571人のうち、65歳以上は9割を占める。顔色が急に真っ青になるなどしたときは、まずはせきを促す。できない場合は「背部叩打法」 で応急を。片手で相手の胸か下あごを支え、うつむかせて、もう片方の手のひらの付け根で、相手の背中を4〜5回、早く強くたたく。それでも反応がない場合は「すぐに119番を」(同庁)と話す。

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仕事納め(12月28日ごろ)から仕事始め(1月4日ごろ)の間は、ほとんどの医療機関が休みに入る。各地区では医師会を中心に当番医をあて、自治体が設置する休日診療所などが対応にあたる。東京都医師会理事の伊藤雅史・等潤病院長は「インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が増える時期とも重なる。人混みを避け、手洗い、うがい、マスク着用の徹底を」と年末年始に気をつける話す。 一方、どの医療機関が診療しているかを調べるのも一苦労だ。健康に関する電話相談などを手がけるコティーペック」(東京)は、「国内唯一という年末年始の全国の当番医が検索できるサイト(http://t-pec.jp)を09年から公開している。

昨季(7日間)は約5万件のアクセスがあり、今季は28日午後6時から公開の予定だ。砂原健市社長は「自宅付近のほか、旅先や帰省先の医療機関を簡単に探すことができる。ぜひ活用を」と許す。また、旅先などでの事前の備えとして、伊藤さんは「応急処置できるような薬を持ち、特にお子さんがいる場合は、事前に地域の当番医など医療情報を知っておくことを勧めたい」と指摘する。(石塚広志)

[インフォメーション]

休日や夜間に子どもが急に病気になり、病院に連れて行くべきか迷ったら、小児救急電話相談「#8000」がある。医師や看護師から、症状に応じた対処や助言を受けることができる。受付時間は自治体で異なり、厚生労働省のサイト(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3html)で確認できる。



(出典:朝日新聞、2015/12/19)

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