【夏の疲れを引きずる「秋バテ」を防ぐ 「内臓冷え」にもご注意】

夏のきつい冷房による寒暖の差で体調を崩し、そのダメージを引きずった「秋パテ」に悩む人が少なくありません。耳慣れない言葉ですが、どのような症状で、どんな対処が必要なのでしょうか。

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暑さで体力が落ちたり、食欲がなくなったりするのが夏パテ。今は特に、強い冷房に当たりすぎることで、体温を調節する自律神経が乱れたり、血液循環が悪くなったりする「夏冷え」が問題になっている。

ところが、厳しい暑さのピークが過ぎても、体のだるさや胃腸の不調が消えない人も目立つ。これが秋パテだ。

健康診断などを行っている鳥取県保健事業団は、月に1度出している広報紙で秋パテについて取り上げた。担当者によると「夏の疲れがとれない、と言った声を周りでよく聞くようになった」ことが理由だという。

東京有明医療大の川嶋朗教授も、数年前から注意を促している。冷房の効いた部屋で一日中仕事をしていたり、日頃運動をしていなかったり。そういう人に症状が出やすい。「秋パテは、まさに現代病です」

川嶋教授は、夏パテ同様に、一番の原因は体力不足にあると′考えている。体力強化のために目安となる運動は「自分にとって、少しきっいくらい」。

真夏と違い、秋になると朝夕の涼しい時間帯にはウォーキングやランニングなどの運動がしやすくなる。意識して階段を使い、電車では座らずに立つ、といった日常のちょっとした工夫でも、体力アップにつながるという。

乱れた白律神経を整えるには、38〜39度のぬるめの風呂にゆっくりつかるのが効果的。心をリラックスさせ、快眠につながるからだ。体全体を温め、血のめぐりをよくするためにも、全身浴にするのがポイント。

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食事にも気をつけたい。川嶋教授は、冷たい物を食べたり、飲んだりし過ぎることによる「内臓冷え」も、秋パテの要因だと指摘する。血行が悪くなることで、だるさにつながるという。「なるべく、冷たいものをとらない。麺類なら、冷やし中華より、ラーメンです」

今夏、東京では35度を超える猛暑日が、連続記録としては過去最長となる8日続いた。連日の酷暑で、例年以上に冷たい物を飲み食いした人も多いだろう。その場合、胃腸が弱った状態を、秋まで引きずってしまっている恐れがある。

秋に出回る旬の野菜などを積極的にとることも大事。とはいえ、胃腸を疲れさせないよう、食べ過ぎには注意が必要だ。

「今年は夏パテしなかった」という人でも油断はならない。秋はもともと。次第に日中と朝晩の寒暖の差や天気の変化が大きくなる時期で、体調を崩しやすい。

体の冷えを防ぐ生活習慣を続けることは、季節を問わず健康維持につながる。(勝見壮史)

[インフォメーション]

体の冷えは、秋パテの原因の一つ。男性に比べ、冷え性が多い女性の方が、秋パテの症状を訴える人も多いようだ。企業や医師らが関わり、健康情報を発進している「ウーマンウェルネス研究会」のウェブサイト(http://wwW.wel-lab.jp/)では、冷え性がもたらす不調や、解消するポイントなどを紹介している。




(出典:朝日新聞、2015/09/05)

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