【プールで注意したい子どもの感染症 タオルの貸し借りダメ】

夏休み。暑い日が続き、子供たちにはプールが楽しみな季節だ。ただ、夏はとびひなどになりやすく、保護者や教職員らから子どもをプールに入れていいかといった相談が多いという。

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子どもと保護者、保育園・幼稚園・学校の教職員向けにと日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会が2年前に出した「皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解」に今年5月、日本皮膚科学会が加わった。伝染性脳痂診(のうかしん=とびひ)、伝染性軟属腫(みずいば)、あたまじらみ、疥癬(かいせん)についてプールの可否や注意点を整理している。

特に注意したいのが、とびひ。虫刺されの痕などをひっかいた傷が細菌に感染して発症する。プールは、水泳も含め「治るまで禁止」だ。

皮膚科学会では、愛知医科大の渡辺大輔教授(皮膚科)らの作業班が統一見解の解説を学会誌に載せた。渡辺さんによれば、とびひの原因菌を15〜30秒で殺す塩素濃度は、黄色ブドウ菌は水1mあたり0・1_グラム、溶血性連鎖球菌は0・25_グラム。学校保健ではプールの塩素濃度は、水1bに0・4_グラム以上なので、プールの水でうつる心配はない。

ただ、水でふやけてかさぶたや水ぶくれが潰れて本人の症状が悪化したり、接触して傷から出た体液がほかの子に付いてうつしたりする可能性があるため「治るまで薬止」だ。

みずいばやあたまじらみ、疥癬は「プールに入っても構わない」。しかし、タオルやビート板の共用や水泳帽などを介してうつる可能性があり、貸し借りはしない。みずいばは「プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう」。皮膚科学会の解説も「水泳後の手洗い、シャワー浴は感染を低下させる可能性がある」としている。

日野治子・関東中央病院特別顧問(皮庸科)は「お風呂は、きょうだいがいれば、とびひになっていない子を先に。あたまじらみは、いじめの対象にならないような配慮を」と話す。

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目の感染症にも気をつけたい。学校保健安全法によれば、咽頭結膜熱(プール熱)は症状が消えてから2日過ぎるまで、流行性結膜炎(はやり目)は医師が感染の恐れがないと認めるまで「出席停止」で登校禁止だ。

東京医科大の後藤浩主任教授(眼科)によると、プール熱は結膜炎の症状のほか、のどの痛みや発熱が中心でプールや周辺の環境を介して感染しやすい。感染力ははやり目の方が強く、目の充血や目やに、涙がよく出る。1〜2週間で白然に治るが「充血や目やにが続くようなら眼科で受診を」と後藤さん。

他人にうつさないことも大切だ。涙を介して感染するので「目をこすらず、涙や目やにはティッシュで拭いてごみ箱へ。大人も感染するので、タオルは家族内でも共有せず、患者は、お風呂も最後に入ってください」。(寺崎省子)

[インフォメーション]

統一見解は日本臨床皮膚科医会のHP(http://www.jocd.org)へ。東京都福祉保健局の「環境・衛生」の「読み物・パンフレット」の「ねずみ・衛生害虫」から家庭向けのリーフレットをダウンロードできる。とびひやみずいぼ、疥癬は日本皮膚科学会の「皮膚科Q&A」、ウイルス性結膜炎は日本眼科学会の「目の病気」が詳しい。




(出典:朝日新聞、2015/08/01)

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